2008年ファントム・フィルム配給。
はじめて名前を聞く監督だが、タイトルの良さとDVDパッケージから漂う神話的なエロティックな香りに惹かれて借りてみた。
驚くべき才能である。
全編、映画的時間と映画的空間とで充溢している。
一癖も二癖もある俳優ばかり(田口トモロヲ、石橋凌、佐野史郎、三上寛など)なのに、見事に使いこなしている。
いったいこの監督は何者?
見終わった後、ウィキで調べて合点がいった。
今村昌平の息子なのである。
映画的才能が果たして遺伝するかどうかはともかく、父親に付いてじっくりと学んだのだろう。
ベテラン俳優たちの力演も、各々が生前世話になった今村昌平監督に対する恩返しの意味もあるのかもしれない。
だが、いくら偉大な父親を持とうと、学ぶことのできないものもある。
世界をどう見るかは、己自身のオリジナリティで勝負しなければならない。
父親には見られない点は、たぶんヴォネガット風のユーモアのセンスと見た。
まぎれもなく、現代日本のもっとも傑出した映画監督の一人と言い切ってよい。
他の作品も観てみよう。
評価: B+
A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」
A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
「スティング」「フライング・ハイ」
「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
ヒッチコックの作品たち
B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」
「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
チャップリンの作品たち
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
「アナコンダ」
C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!