一週間以上、ほぼ同じペースで歩き、同じ土地で宿を取り、休憩所や札所でよく一緒になった二人の遍路仲間と、今日お別れした。

一人は地元香川在住のTさん。
定年退職して、「意気揚々と(本人弁)」遍路を始めたものの、足の痛みと腫れで断念寸前まで追い詰められた。ところが、「奇跡的に(本人弁)」腫れが引き、痛みもなくなった。そこからは60代後半とは思えぬ馬力と活力で、グングン歩いている。
よく舌の回る根っから明るいキャラクターで、よく笑わせてくれた。

いま一人はソルティと同じ東京から来ているKさん。
なんと22巡目のベテラン遍路である。55才で退職して、それから年に2回四国に来ている。なぜそんなことが可能なのか聞かなかったが、まずうらやましい身分である。ソルティやTさんのような新人遍路に、道や宿のことを始め、いろいろと役に立つ情報を教えてくれる親切な人だ。

道の上で知り合い、情報交換し、しばらく一緒に歩いたあと、別れていく。その後、休憩所や寺や宿でまた顔を合わす。そんなつかず離れずの関係が、遍路の典型的な交わりである。

歩く時は基本一人、いや弘法大師とミレーちゃんとの同行三人である。
人にはそれぞれの歩くペース、休むペース、写真撮影など寄り道するペースがある。短い距離なら、どちらかがもう一方に合わせることもできようが、何十キロにも及ぶ長い距離では、合わせ続けるのは無理である。マイペースを保とうという強い意志がなければ、とてもとても1200㎞歩き倒せるべくもない。
その意味で、遍路は孤独である。

しかし、同じ道を同じ目的地を目指して歩いている仲間が、自らの前方や後方にいるという思いが、歩き続ける力になる。

足摺岬突端の金剛福寺を打ち終わった遍路は、次の札所へ向かう3つのルートからどれか一つを選ぶ必要がある。
ソルティは、TさんやKさんとは別のルート、海岸線に沿って岬を回る最も長いルートを行くつもりだ。他の二つのルートより日数が余分にかかるので、二人からは遅れることになる。

足摺岬の手前で、すでに金剛福寺を打って往路を戻って来た二人と出会い、握手して別れを告げた。

ベテラン遍路のKさんには携帯番号を教えてもらったので、この先わからないことがあったら教えてもらえる。心強いサポートセンターを得た思いだ。

10日間弱の短い時間ではあったけれど、世代や立場や属性を超えた、爽やかな交流だった。


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落陽せまる足摺岬