ユースホステルの寝苦しい一夜の反動から、昨夜は誰もが知っている大手チェーンホテルに泊まった。
素泊まり4800円は遍路宿としてはやや高めだが、健康には代えられない。
風邪をこじらせると厄介なので、思い切って明日はオフにしてホテルにこもっていようと決めた。
天気予報は午後から雨模様と言っているし。

フロントに連泊を頼んだところ、
「明日は満室なんです」
ビジネス客で埋まっているそうだ。
「こんな愛媛の片田舎で?」
意外であった。
災害復興関連の業者だろうか。

うまくいかない日もある。

今朝はチェックアウトぎりぎりの9:50まで部屋で横になっていた。
風邪薬を飲んでホテルを発った。

ベテラン遍路が作成した「歩き遍路ハンドブック」(ビギナー必携)に載っていた素泊まり3000円の安宿まで移動して、そこで養生することにした。
14キロ程歩かなければならないが、そのくらいなら症状が悪化することはないだろう。

午後3時ジャスト、宿に到着した。


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モーテルを遍路宿に改造したつくりで、各部屋はまんまモーテルの一室である。
ホテル以上の独立感がある。
畳敷きの部屋はきれいで、6畳+3畳の広さ。
風呂はないが、トイレがついている。
(近くに温泉あり)


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ゆっくり休めそうだ。
そしてまた、オーナーのおばちゃんの親切なこと!
予約時に、風邪を引いたことを伝えていたのだが、到着したらバナナとヨーグルトとゆで卵と栄養ドリンクと生姜湯が用意されていた。
素泊まりなのに・・・

道中のコンビニで買ったパンとチーズでささやかな夕食とっていたら、ノックがあり、餃子の差し入れがあった。
無料で洗濯もしてくれた。
素泊まりなのに・・・

朝、遍路の支度をしていたら、ノックがあり、
「朝ご飯、下に出来てるけんね」
素泊まりなのに・・・!

ここに泊まった外国人遍路がブログで推奨したせいで、外国人が次々訪れるそうだ。
日本の世話焼きおばちゃんの「おもてなし」に、世界がぞっこん参っている。

連泊して、ここを拠点に近場の札所を回ることにした。

風邪を引かなかったならば、この宿に足を止めることはなかった。
チェーンホテルが満室でなかったならば、この宿に泊まることはなかった。

風邪の功名、とでも言おうか。

「やって来た出来事は、抵抗せず、おいらかに受け止めよ」
お大師さまがそう告げている気がした。


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