香川県は池が多い。
小高い山から見下ろすと、田園のあちらこちらに大小の池が散らばっている。

だがこれは、香川の水の豊かさを示すものではなくて、むしろ逆なのである。
雨が少なく、川も少ないこの地方は、昔から渇水対策が盛んだった。
池はどれも溜め池、すなわち灌漑用の人工池なのである。

その最大のものが南西部にある満濃池、8世紀初頭に讃岐の国守・道守朝臣が築き上げ、決壊を繰り返していたのを、9世紀初頭に弘法大師空海が中国から持ち帰った技術と多大な人手により修復した、いわゆるダム湖である。


IMG_20181123_215116



映画『空海』(1984年東映)では、満濃池修復シーンが一大スペクタクルとしてクライマックスを形成していた。
四国遍路に行くと決まった時から、最も行くのを楽しみにしていた。
ここには別格17番神野寺がある。

連休初日のこんぴら様(金刀比羅)の賑わいに混じって、長い長い石段を今や苦もなく上りきり、参詣後はお約束のうどんを食べた。
そこから一時間強歩くと、満濃池のある丘が見えてくる。

自然、足が速まる。
このワクワク感は、室戸岬以来だ。
ある意味、今日がソルティ的には四国遍路クライマックスかもしれない。


IMG_20181124_044435



IMG_20181123_213651



紅葉の山々に囲まれた満濃池は、豊かな水を湛え、静かで平和で、美しかった。
心安まる光景は、結願迫る一遍路への四国からの、お大師様からの祝福のように思われた。

帰りは、讃岐らしい田園風景の中を歩いた。
この黄金に燃える稲の実りこそ、満濃池の賜物なのである。


IMG_20181123_215203



奇しくも今日11月23日は、新嘗祭であった。