日時 2019年2月11日(月)14:00~
会場 杉並公会堂大ホール(杉並区)
演目
  • ベートーヴェン  :  レオノーレ序曲 第3番 作品72b
  • チャイコフスキー : バレエ音楽『眠れる森の美女』組曲 作品66a
  • ラフマニノフ : 交響曲第2番 ホ短調 作品27 
  • 〈アンコール〉 チャイコフスキー : 管弦楽組曲第4番「モーツァルティアーナ」より第3楽章
指揮:喜古 恵里香(きこえりか)

 久しぶりのOBオケは、若い女性指揮者のチャイコにラフマニノフと来た。期待せずにはいられない。
 いざ、荻窪へ!
 OBオケにしては珍しく入りはぼちぼち。5割がた空きがあった。三連休の最終日で、寒さも影響したか。

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 プログラムの前半と後半とでこれだけ質の異なる演奏会も珍しかった。
 OBオケの特徴である統一感とスライムのような粘り気と光沢が、前半2曲ではまったく感じられなかった。音がささくれ立っていたし、全体に粗かった。華やかさと優雅さとロマンチックが求められるチャイコフスキーでは、まったくそのエッセンスを取り逃して、どちらかと言えばハチャトリアンの『仮面舞踏会』みたいであった。(そっちをやったほうが良かったのでは?)
 リハ不足?
 選曲ミス?
 指揮者との相性が良くない?
 寒さで手がかじかんでいる?
 核となるオケメンバーが抜けた?
 それとも、ソルティの体調のせい?

 ところがどっこい、後半のラフマニノフは「さすがOBオケ」といった見事な出来栄え。統一感とスライム感は健在であることを証明した。要はこの一曲に力を注いでしまったのだろう。
 とりわけ、第3楽章の出だしのクラリネットソロが哀感たっぷりの音色と表情で、こちらのハートチャクラを直撃した。実に上手い。それに釣られるように他の楽器も柔らかな音色とラフマ的悲哀を歌いだした。
 開いたハートチャクラから入り込んだ音波は、全身へと伝達され、心身が「整い」、知らぬ間に瞑想状態に入っていた。これぞ生の音楽の威力。
 
 指揮の喜古恵里香は、NHK交響楽団首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィのアシスタントをしているとのこと。将来楽しみな女性指揮者である。



評価: ★★★

★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損