丹沢(神奈川県)の山に行く予定で家を出たのだが、山手線池袋駅で人があふれかえっている。転落事故があって列車がストップした模様。
 間もなく動き出したが、新宿方面の列車は何本見送ってもすし詰め状態が続いている。毎回、乗り切れなかった通勤客がホームに残される。とてもとても、大きなリュックを背負って参入する気がしない。
 予定を変更し、西武池袋線で秩父に行くことにした。
 一度お詣りしたかった寶登山神社のある宝登山へ。

● 登山日 2019年6月18日(火)  
● 天気 晴れ、時々曇り
● 行程
12:00 秩父鉄道野上駅
      歩行開始
12:15 萬福寺(長瀞アルプス登山口)
13:15 ナラ沢峠(林道入り)
13:45 山頂
      昼食休憩(60分)      
14:50 寶登山神社奥宮
15:30 寶登山神社
16:15 長瀞駅
      歩行終了
● 標高差  360m
● 所要時間 4時間15分(歩行2時間45分+休憩1時間30分)

DSCN3938
窓の大きな西武鉄道新型車両「特急ラヴュー」

DSCN3937
車窓から望む武甲山

 寶登山神社は宝登山のふもとにあり、最寄りは秩父鉄道長瀞駅である。
 神社の先から山頂へ行くロープウェイが出ていて、如月の頃は山頂近くにあるロウバイ林を見に行く客で賑わっている。むろん、歩いてもいける。
 今回は、一つ隣りの野上駅で降りて、長瀞アルプスと呼ばれる丘陵をたどって宝登山に至るコースを取った。

DSCN3939
野上駅

DSCN3940
長瀞アルプス入口あたりの風景


 秩父巡礼で馴染んだ心休まる里山風景に別れを告げ、萬福寺そばの登山道入口から森に踏み入る。
 雑木林に囲まれたなだらかな上りが続く。
 静かで、歩きやすく、直射日光を木々が遮ってくれる。
 山頂までの道で出会ったのは5人だけだった。
  
DSCN3942
この山は私有地

DSCN3944
ヒノキチオールの薫りが心身を浄化する

DSCN3945
広葉樹と針葉樹が入り混じる


 誰がつけたネーミングなのか知らないが、長瀞アルプスとは随分しょってる。
 俗にアルプス一万尺というが、一尺は 0.3 mなので一万尺は 3,000 mである。実際のアルプスの最大標高はモンブラン 4,810 mだが主要峰の中には 2,000 m級の山もいくつかあるので、平均を取れば一万尺は妥当であろう。ちなみに、アルプスの語源はケルト語の「山(albまたはalp)」、ラテン語の「白(alb)」と言われ、「氷雪に覆われた白い山」という意味だそうである。
 長瀞アルプスの最高峰はむろん宝登山で 497 m。計算すると、1,657尺になる。丘陵全体では平均1,000尺くらいだろうか。本物の10分の1である。


DSCN3947
ナラ沢峠(林道に入る)

DSCN3948
山頂への入口

DSCN3949


 歩き始めて2時間弱で山頂到着。
 最後の上り階段はやや息が切れた。が、それ以外は鼻歌まじりに歩けるような山道、というより森の道であった。予定していた丹沢の山(700m台)に比べたら、ちょっと楽し過ぎたかな。
 まあ出発が遅れたので、ちょうど良かった。
 駅から駅へのルートなので、時間に追われず、ゆっくりと自然との気の交感ができたし、なにより山頂からの眺めがこれほど素晴らしいとは思わなかった。

DSCN3950
広々した山頂

DSCN3952


IMG_20190619_054259


DSCN3951


DSCN3953
武甲山と秩父市街

DSCN3956
寶登山神社奥宮


 寶登山神社は、社伝によれば景行天皇41年(111年)、日本武尊により創祀されたと言われている。秩父神社三峯神社とともに秩父三社の一社である。ソルティは、これで3つとも制覇したことになる。
 本殿は明治初期に建てられたもので、平成22年に改修工事が行われた。中国の有名な故事を描いた壮麗で色あざやかな彫刻が見事である。日光東照宮や熊谷の妻沼聖天を連想した。 
 緑濃い清らかな境内で、しばし瞑想。

DSCN3957


DSCN3959


DSCN3960
長瀞駅と社を結ぶ参道。振り返れば宝登山


 帰りは秩父鉄道で寄居駅に出て、東武東上線に乗り換える。
 小川駅で途中下車し、温泉と生ビールで疲れを癒した。


DSCN3965
おがわ温泉 花和楽の湯

DSCN3966


 やっぱり秩父はいいなあ~。