1966年大映
81分

 シリーズ第2作。
 前作の濃い人間ドラマ、社会ドラマ性が希薄になって、『スパイ大作戦』的な娯楽色が強くなっている。
 シリーズ化するとはそういうことだ。

 今回の雷蔵の相手役、いわゆるマドンナは、村松英子である。
 三島由紀夫作の舞台女優として名を馳せただけあって、芝居の上手さはもちろん、品のあるデカダンスな雰囲気が好ましい。


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 このシリーズの残念なのは、いかに雷蔵演じるスパイが陰ながら華々しい活躍を見せ、日本軍の窮地をしのいだところで、最終的には日本が敗北した事実はなしにはできないことである。
 観る者は、中野学校卒の関係者たちの偉大なる野望が潰えたことをはじめから知っている。
 雷蔵らスパイたちの活躍は、徒労に終わった。
 どうしても無駄なあがきを鑑賞している気分になってしまうのだ。



おすすめ度 : ★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損