2017年アイスランド、デンマーク、ポーランド、ドイツ
89分、アイスランド語
上記4ヶ国による制作というのが珍しい。
分類としてはブラックコメディだろうが、そんじょそこらのホラー&サスペンス映画よりよっぽど怖い。かつ最初から最後まで目が離せない。
脚本の巧さと役者の演技に負うところが大きい。
とくに、息子を亡くした高齢の母親役を演じる女優のサイコパスもどきの演技が、リアルを通り越しておぞましさを感じさせる。
隣の家の木が茂りすぎてウチの庭に日光が当たらないとか、隣りの家の犬の糞がウチの庭に落ちていたとか、よくある隣近所のもめごとが高じて、スプラッタまがいの凄惨な殺人事件にまで発展してしまった話である。
どこか遠い国の他人の話ではなく、まさに観る者の身辺で起こり得る日常の出来事だけに怖いのである。
同じヨーロッパでも、イタリアやフランスやスペインのように陽気にも情熱的にもなりきれないあたりが、どこか日本人(とくに東日本の)に似ている気がする。
緯度すなわち日照時間と国民性には相関があるのだ。