2017年イギリス
98分

 原題は、Anna and the Apocalypse(アナと黙示録)

 キュートな女子高生アナを主人公とした、ポップでハートウォーミングな学園ミュージカル――といった風情。
 が、フタを開ければ、イギリス映画のお家芸たるゾンビもの!
 クリスマスを前に、ゾンビが街にやってくる!
 
 ゾンビものとしての新機軸は、ミュージカル仕立てにしたところ。
 教室で、食堂で、講堂で、街路で、ボウリング場で、はたまた血しぶき噴き上げる凄惨なゾンビとの戦いの場で、突如歌い踊り出す若者たちのパフォーマンスが楽しい。
 さすがに、ゾンビたちは歌も踊りもしないが・・・・・。
 
 アナ役のエラ・ハントは将来楽しみな正統派美少女。
 この一作でファンになった男子も多いことだろう。
 気の強そうなところは、往年の国民的美少女ゴクミ(後藤久美子)を思い出させる。


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アナ役のエラ・ハント
 

 音楽もいい。テンポもいい。脚本も演出もいい。
 加えて、さすがイギリスというべきか。随所に差し込まれるブラックジョークがたまらない。
 ゾンビに咬まれ仮死状態となったアナの今一つさえないボーイフレンド。彼の着ているクリスマスツリーデザインのセーターが不意に電飾で光り輝くシーンなど、なぜか知らず、感動で涙が出そうになった。
 
 ゾンビの発生原因は、製薬企業が極秘裏に作ったウイルスの漏出。
 そこから感染が広がった。
 制作陣もまさか3年後の世界がこんなふうになっているとは予想だにしなかったであろう。
 コロナ禍も歌って踊って吹き飛ばしたいところだが、それはもっともやってはいけないことだ。
 こうして家で映画を楽しむのが一番。
 
 
 
おすすめ度 : ★★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損