製作年 1995年
製作国 アメリカ
原作 チャールズ・ディケンズ
原題 THE OLD CURIOSITY SHOP
上映時間 181分
出演
- ネルの祖父/ ピーター・ユスティノフ
- ネル・トレント/ サリー・ウォルシュ
- キット/ ウィリアム・マナリング
- ダニエル・クウィルプ/ トム・コートネイ
原作を読んだのははるか昔なので、筋はすっかり忘れていた。老人と孫娘との可哀想なストーリーということだけ覚えている。
「忘れる」ってのは、もう一回新鮮な気持ちで楽しめるという点で必ずしも悪いことじゃない。物語の最後で思いもかけない展開に涙腺が緩んだ瞬間に、「ああ、昔もずいぶんこのラストに泣かされたんだった」と思い出した。そう、ハッピーエンドではないのである。
ピーター・ユスティノフは、何といっても『ナイル殺人事件』(1978)を筆頭とするエルキュール・ポワロ役が印象に残る。孫娘の稼いだ金を盗んでまで賭博に溺れるギャンブル中毒の男の姿をリアリティ豊かに演じている。さすがだ。
サリー・ウォルシュは、この作品以外にめぼしい出演作はないようだ。可憐で純粋な雰囲気がネルにぴったり。
最優秀演技賞に値するのは、トム・コートネイ。この人は、『長距離ランナーの孤独』(1962)で映画デビューしたあと、『ドクトル・ジバゴ』(1965)、『イワン・デニーソヴィチの一日』(1971)、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』 (2007)、『カルテット! 人生のオペラハウス』(2012)などに出ている。本作のクウィルプはディケンズらしい典型的な悪役であるが、観る者をして「憎らしい」と思わせると同時に妙に「魅力的」と感じさせる複雑なキャラクター、あえて言うなら母性本能をくすぐる不良キャラに仕立て上げている。英国の生んだ名優の一人であるのは間違いない。
19世紀半ばのイギリスの町並みや家屋や風俗が丁寧に描かれ、ディケンズが居た時代を楽しみながら、たとえば雨の休日を費やすのに恰好の作品である。
評価:C+
A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」
A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」
C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!