考古学概論のレポートを提出しホッとしているところ。
何を書いたらいいのか分からなかった白紙状態から、テーマを見つけて、構成を考えて、材料を探し、資料を読み込んで、なんとか文章に仕立て、間違いがないか何度も読み返し・・・・。
奈良大学通信教育部行きメールの送信ボタンをクリックしたときは、我が子をサバイバルキャンプに送り出す母親のような気分だった。
Sasin TipchaiによるPixabayからの画像
レポート作成にあたって、本文に苦労するのは常のことであるが、意外に頭を悩ませるのは引用の仕方である。
既刊の図書や新聞記事からの、あるいは先行論文からの引用は、ちゃんと引用元を表示しないといけない。
それをしないと、剽窃や盗用になってしまう。
著作権侵害になってしまう。
なので、レポートの最後に引用文献や参考文献を列挙するのであるが、その表記の仕方がいまいちよくわからない。
考えてみたら、学術レポートを書くのは実に40年ぶり。
すっかり書き方を忘れているのも無理ない。
しかも、ソルティは英文科の学生だったので、卒論は英文提出だったのである。(いま思うとなんと無謀な!)
10年ほど前に社会福祉士の資格を取るために通信教育を受けたときも、レポートはどっさり(1年半で33本!)書いたが、テキストを要約すればいいレベルだったので、他の文献からの引用は必要なかった。
日本語のレポートや論文の場合、どうやって引用表記すればいいのか?
いや、そんなに悩むことないっしょ?
【筆者の名前、本のタイトル、出版社、刊行年、引用ページ】
でいいでしょうに――と思うところだが、40年前と格段に状況が変わった。
インターネットの登場である。
でいいでしょうに――と思うところだが、40年前と格段に状況が変わった。
インターネットの登場である。
いまや、ネット上の記事というか資料からの引用・参照が当たり前の時代である。
たとえば、今回の考古学概論レポートの場合、6つのサイトの記事を参照した。
国立大学が2カ所、大手新聞社が1カ所、有名民間企業の外郭団体が1カ所、国立研究法人が1カ所である。
一応、“怪しくない”=信頼性が高いと思われるサイトを選んだけれど、どうなんだろう?
選ぶ基準が難しい。
- ネット上の記事ならどれでも引用していいのか? たとえば、Wikipediaや他者ブログはどうなのか?
- 著作者(たとえばブログ主)の許可を取る必要はあるのか?
- 図表や画像も引用(コピペ)していいのか?
- 末尾の引用(参照)文献一覧にどうやって表記するのか?
- 論文などが pdf. でそのまま掲載されている場合、「ネットで読んだ」ことを示すべきなのか?
- 論文を作成した後に、引用した記事が削除されてしまったらどうするのか?
等々、よくわからないことが多い。
〈論文 引用方法〉とネットで検索すると、大学関係はじめいろいろな記事が上がってきて丁寧に引用方法を教えてくるが、サイトによって言ってることが違うので、ますます混乱してしまう。
そんなわけで、やっぱり昭和世代。最後は本に頼りたい。
小笠原喜康著・近藤たかし作画『マンガでわかる 大学生のためのレポート・論文術』という本を見つけた。
2002年に刊行されてから累計で50万部のロングセラーになっているそうだ。
2020年講談社発行版
たしかに、とても読みやすい。
知りたいポイントがわかりやすくまとまっている。
知りたいポイントがわかりやすくまとまっている。
論文の書式やレイアウトや段落のつけ方といった基礎の基礎から、文献・資料の集め方、引用・参照のルール、わかりやすい文章をつくるコツ、論文の基本的な組み立て方など、初心者には大助かりの、痒いところに手が届く内容である。
とりわけ、ネットを使った先行論文の検索方法や関連図書の探し方、ネット資料の表記の仕方が書かれているのが嬉しい。
それによると、ネットからの引用の記載の基本は、以下の通り。
- 資料のある場所のURLを記載。
- 記事に日付がある場合にはそれを記載。
- 記事の取得日(アクセスした日)を必ず記載。
- 可能な限り、サイトの管理者・情報提供者を記載。
例.“なんなら、奈良20(奈良大学通信教育日乗)入学まる1年”(2025-09-
27掲載),『ソルティはかた、かく語りき』,
https://saltyhakata.livedoor.blog/archives/10437061.html
(2025-11-15取得)
検索した記事の中には、「サイトの最新更新日を記載すること」と書かれているものもあったが、本書ではそこまで求めていない。
最新更新日って最近のサイトではほとんど記載されていないし、調べるのは結構手間がかかるみたいだし、日付がたくさんあっても混乱するだけなので、今回の提出レポートには付さなかった。
なにせ、ネットからの資料の入手は新しい事態なので、上記以外はっきりしたルールが決まってはいないようだ。
つまるところ、レポートや論文を読んでくれる先生の意向に合わせるのがベストなのだろう。

奈良薬師寺内にある南都正強中学旧校舎(奈良大学の前身)






















