2011年フランス映画。
フランスで大ヒットした実話を元にした介護コメディ。
脚本も役者陣も良い。ところどころ吹き出しながら最後まで楽しめた。
原題のIntouchablesは「触れることのできない」という意。
一つには、主人公の一方である障害者フィリップ(=フランソワ・クリュゼ)の置かれている肉体的状況のことであろう。事故で頸髄損傷し首から下の感覚が無くなったフィリップは、まさに「触覚を失った」人間である。手や足を使って他人にも物にも触れることができない。
もう一つはフィリップのような障害者が置かれている社会的状況の暗喩でもあろう。健常者は、障害者を前にしたとき、障害に附随する話題には「触れてはならない」と振る舞う。ジロジロ見るのは失礼だから、見てみないふりをする。誰が決めたわけでもない不文律である。「なぜカタワになったのか」「それはどういう気持ちか」「セックスはできるのか」「生きていて楽しいことはあるのか」等々、聞いてはならない問いがある。ソフィストケイト(洗練)された人々、いわゆる「意識の高い」人々ほど、そのような流儀を身につける。そのなかで、障害者は直接的な言動によって傷つけられることはないけれど、オブラートにくるまれて社会や周囲から特別扱いされる。そして、透明人間になったかのような孤絶感を持たされる。
フィリップが自分の介護者として選んだドリス(=オマール・シー)は、貧困層の移民の若者で、まったくのところソフィストケイトされていない。フィリップの愛好するクラシック音楽や絵画や文学の世界はドリスにとってチンプンカンプン。オペラに行っては奇抜な扮装をした歌手の姿に特等席のバルコニーで馬鹿笑いする。フィリップの障害に対しても何ら特別な構えを見せない。動けないフィリップをおもちゃにし、セックスを話題にし、フィリップの健康に配慮するならばやってはいけないような介護を平気で行う。
だが、フィリップはそれをこそ望んでいたのである。
自分を「障害者」「病人」として扱う人間、いわゆる傾聴・共感・受容に優れ、プロの介護技術を持ち、マニュアル通りの介護をテキパキと行える人間ではなく、人としてフランクな対等な関わりをしてくれる人間を欲していたのである。つまりは、介護者でなく友達を求めていたということだ。
Intouchablesのもう一つの意味は、「触れ合うことのない」世界だろう。
フィリップのいる上流社会とドリスのいる下層社会には本来なら接点はない。「持つ者」と「持たない者」の関係、搾取する者と搾取される者の関係、あるいは施す者と施しを受ける者の関係がせいぜいである。
いや、富の違いだけではない。フィリップとドリスはあらゆる意味で住む世界が違う。
金持ちと貧乏人、生粋のフランス人と移民、白人と有色人種、障害者と健常者、中高年と若者、教養ある者と無学な者、芸術を解する者と解しない者。まさに異文化との出会いである。
本来ならまず、触れ合うことのない二人の男が「介護」という行為を縁として出会い、お互いを知り、惹かれあい影響し合って、それぞれの人生を変えていく。
最後のシーンで、ドリスはこれまで自分が口説いてきたフィリップの秘書マガリーが、実はレズビアンであることを知る。そのときのドリスのリアクションに、観る者は本当の意味の「ソフィストケート」を知るであろう。
他者との出会いによって人生は輝く。人は多様性を受け入れて豊かになる。
フランスで大ヒットしたのは、移民問題に対するフランス人の良心の発露であろう。
評価:B-
A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」
A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
「スティング」「フライング・ハイ」
「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」
「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」
C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!
●歩いた日 4月4日(木)
13:30 出発














2012年発行。
2010年発行。



●歩いた日 3月21日(木)
10:40 八重山ハイキングコース入口
15分も歩くと最初の目的地である牛倉神社に到着。上野原の鎮守で、祭神の筆頭に挙げられているのは保食神(うけもちのかみ)である。この女神は、アマテラスの弟であるツキヨミによって殺されてしまうのだが、その屍体の頭からは牛馬、額からは粟、眉からは蚕、目からは稗、腹からは稲、陰部からは麦・大豆・小豆が生まれたと言う。つまり、食べ物の神様である。しっかり拝んでおこう。
境内には「撫牛」と呼ばれる腹這いになった牛の像がある。説明板にこうある。

















上野原駅北口から100メートルあたりの停留所から秋山温泉行きの無料送迎バスが出ている。15時のバスに乗って秋山温泉に行く。
1979年出版。2005年河出文庫発行。