2024年アメリカ
138分
監督名を見て、目を疑った。
フランシス・フォード・コッポラ?
『ゴッドファザー』(1972)、『アメリカングラフティ』(1973)、『地獄の黙示録』(1979)、『アウトサイダー』(1983)、『タッカー』(1988)など、映画史に残る傑作を立て続けに発表したコッポラの最盛期は70~80年代、その後はプロデュース業が中心となり、名前を聞くことが少なくなった。
代わって、『ヴァージン・スーサイズ』(2003)、『マリー・アントワネット』(2010)、『ビガイルド 欲望のめざめ』(2017)など、ガーリーな作風で知られる娘のソフィア・コッポラの名前のほうが、昨今はよく目にする。
亡くなっているものと思っていた。
ウィキによれば、1939年生まれの87歳。
90歳間近にしてこれだけ前向きなテーマのSF大作を撮るパワーと精神力に感服した。
残念ながら興行成績は芳しくなく、ゴールデンラズベリー賞で最低監督賞を受賞するなど、世間一般の評価は高くない。
が、ソルティは個人的に面白く観たし、好きか嫌いかと言えば好きな映画と言える。
が、ソルティは個人的に面白く観たし、好きか嫌いかと言えば好きな映画と言える。
138分の長尺にも飽きることなかった。
この80年代バブル的大作感。
やっぱり、痩せても枯れてもコッポラだなあ~。
コッポラの政治信条は知るところでないが、トランプが先導する今のアメリカの状況に義憤を感じているに違いない。
本作でコッポラが言わんとしているのは、
人類には今あるこの世界しか有り得ないのか?
この世界を受け入れ保守していくしか道はないのか?
まったく別の世界を夢見てはならないのか?
――ということである。
人類には今あるこの世界しか有り得ないのか?
この世界を受け入れ保守していくしか道はないのか?
まったく別の世界を夢見てはならないのか?
――ということである。
その意味で、2021年に刊行された『万物の黎明』(デヴィッド・グレーバー&デヴィッド・ウェングロウ著)のテーマに重なるところが大きい。
たしかに、人類は近代になってマルクス主義という理想にかぶれて、道を誤った経緯がある。
今の中国や北朝鮮で暮らしたいという人は、さすがにいないだろう。
ベトナム、キューバについてはよく知らないが、自由にものが言えない国という印象は強い。
日本の場合も、連合赤軍あさま山荘事件の惨劇に終わった戦後左翼運動のトラウマがいまも残っていて、「改革」を口にすると危険視されかねない空気がある。
大多数を占める民衆が、今とは別の“より良い世界”を夢見なくなって、「現状は変えられない」とあきらめることほど、既得権益をもつ支配者層にとって都合のいい展開はない。
コッポラは長年患っている心臓の手術を終え、新作の準備にとりかかっているらしい。
映画界のゴッドファザーというにふさわしい。












































