心胆寒からしめる残虐描写も派手なアクションシーンもない。
その秘密は、ミラーの人間観察の怖いほどの鋭さ、ある種の意地の悪さを感じさせる描写にある。
英国ミステリー作家のクリスチアナ・ブランドに似ている。
ウーマンリブ前の50年代アメリカにおける女性の抑圧と葛藤と気概が描かれているところも特徴の一つ。(過去100年における女性の意識の変化は、人類史的にみたら「進化」に等しい)
やはり、ストーリーの面白さもさることながら、人間心理のドラマのほうが、時を越えて読まれるのであろう。
おすすめ度 : ★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損