2020年フランス
64分

 無声映画で字幕なし。
 ストーリーらしきものもない。
 シチュエイションもよくわからないまま、人間がひたすらに虐待されるシーンが続く。

 首に鎖をかけられて木に繋がれる。
 森の中を狩られ、捕縛され、車の荷台の檻に閉じ込められ、運ばれる。
 他の人間と闘うことを強要され、賭けの対象とされ、見世物にされる。
 集団で工場のようなところに連れていかれ、高圧電流の流れる囲いに入れられる。
 スタンガンで気絶させられ、引きずられ、体を電ノコで切り刻まれる。
 逃げ出したところを猟銃で撃たれる。

 ここでは人間たちは声を失っているらしい。
 迫りくる恐怖にただキョロキョロと怯えるばかり。

 人間たちを虐待する暴君の姿がやがて映し出される。
 鹿、犬、熊、牛、馬・・・・。
 
 ここは、人間と動物の立場が逆転した世界。
 地球上で人間が動物に対して日常的に行っている行為を、ここでは動物が人間に対して行っている。
 そんな不思議な惑星の物語。

 ホラー映画のような、スプラッタ映画のような、SF映画のような、声を上げないプロパガンダ映画。
 フランスはじめ欧州のヴィーガニズムの高まりを知らしめる。


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おすすめ度 :★★★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損