日時: 2023年2月12日(日)14時~
会場: 和光市民文化センター サンアゼリア大ホール
曲目:
- メンデルスゾーン: 演奏会序曲『夏の夜の夢』 作品21
- リヒャルト・シュトラウス: ホルン協奏曲第1番変ホ長調 作品11
- アントニン・ドヴォルザーク: 交響曲第7番ニ短調 作品70
ホルン: 北山順子
指揮: 大市 泰範
指揮: 大市 泰範
コロナ後遺症なのか、早くも花粉症なのか、軽度認知症なのか、判断のつきかねる脳の朦朧(もうろう)加減。
ぐっすり眠った感がここ久しくない。
こういう状態のとき、たぶん人は容易に洗脳されちゃうんだろうなあ。
アントニン療法を求めて、埼玉県のへりにある和光市に出かけた。
サンアゼリアホールは東武東上線の和光市駅南口から歩いて15分。
お隣の成増駅は、東京都板橋区である。
今回このコンサートを選んだのは、アントニン=ドヴォルザークはもとより、ホルン協奏曲というのを聴いてみたかったからである。
ヴァイオリンやチェロやピアノとオケの協奏はよくあるけれど、ホルンは珍しい。
まず意外だったことに、てっきり椅子に座っての演奏かと思ったら、立って演奏した。
楽器に詳しくないので、今回の奏者の使用していたホルンの種類は分からなかったが、一番軽いホルンでも2.0kgはするという。
それを抱えながら20分近く立ちっぱなしで演奏する(しかも女性が)のは並大抵のことではなかろう。
ソルティは舞台向かって左側の席にいたのだが、指揮台の横に立つ奏者のドレスの肩口から伸びた、ミケランジェロの彫像のように立派でたくましい右腕ばかりに気を取られた。
やはり、あれくらいでないと、ホルンは吹きこなせないのだろう。
腕力とスタミナに感心しきり。 いつもは弦楽器や木管楽器の後ろに隠れていて客席からは見えないホルンの奏法も面白かった。
右手をベル(朝顔部分)の中に突っ込んでいる姿が、金色のマフの中に手を入れている貴婦人のようで、いったいあの中でどんな手の動きがなされているのだろう?――と興味津々。
ときおり、客席に背を向けて、お辞儀をするような格好で、なにか操作している仕草も謎だった。
あれは何をしているのだろう?
溜まった唾液を抜いている?(まさかね)
それにしても、ホルンは最も難しい楽器と言われていて、音を外しやすいことで知られているけれど、長い演奏中、音が外れることがなかった。
やっぱり、プロは凄い。
ベルカントさながらの美しい音色と技巧を堪能した。
ドヴォルザークの7番もはじめて聴いた。
不穏な入り方で、「このドヴォはちょっと暗いぞ」とかまえていたが、出口は明るくなごやかだった。
第1楽章の途中から、瞑想モードに入り込んだ。
“気”のかたまりが下半身から這い上がって、眉間に固定する。
眉間の前方空間に窓が開く感じ。
この状態になると、頭も体もととのう。
音楽は、耳で聴いているというより、体全身で音波を感じているふうになる。
そのまま最終楽章まで運ばれた。
治療終了。
治療費(=入場料)はなんと500円。
アマオケシーンもようやくコロナ前の水準に戻ってきたようで、喜ばしいかぎり。
帰り道にあった中華料理店でチャーハンと餃子を食べた。
スタミナつけなきゃ!