2月末に、全国旅行支援を利用して2泊3日の旅をした。
 主な目的は以下の通り。

【京都】
  1. 伏見稲荷大社・・・山頂まで連なる朱色の鳥居で有名
  2. 三十三間堂・・・千躰の千手観音で知られる
  3. 無鄰菴・・・山縣有朋の別荘だった名庭
  4. 街中サイクリング
【奈良】
  1. 蟹満寺・・・国宝の白鳳釈迦如来像がある
  2. 法隆寺・・・柿食えば鐘が鳴るなり
  3. 水平社博物館(御所市柏原)・・・全国水平社発祥の地で、住井すゑ著『橋のない川』の舞台
 初日の京都は小雪の舞い散る凍えるような寒さ、二日目と三日目の奈良はコートもズボン下も要らないポカポカ陽気であった。


第1日(2/26)京都

【行程】
08:24 京都駅着、JR奈良線乗り換え
09:00 伏見稲荷大社
10:15 稲荷山頂上
11:30 下山
11:45 自転車レンタル
12:00 三十三間堂(90分)
14:00 昼食(八坂神社近く)
15:45 無鄰菴(60分)
17:20 神泉苑(15分)
17:50 ホテル着

 京都駅でJR奈良線に乗り換えて、稲荷駅下車。
 目の前に大鳥居がある。
 日曜日とは言え、まだ朝早く寒いので、人はそれほどでもない。

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大鳥居
外国人参拝客もちらほら
実はソルティ、稲荷とはなんとなく相性合わず、ここは詣でたことなかった

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拝殿
背後に山をいただく境内は鎌倉の鶴岡八幡宮と似て、広くて清々しい
全国に約3万社あると言われる稲荷神社の総本社である
拝観料は無料

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鳥居のトンネルを山頂まで登って下山するのに2時間を要す

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本殿横のスタート地点

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途中までで引き返す人が多く、登るほどに空いてくる

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鳥居の裏側には奉納者の名前と年月が書かれている
鳥居の料金(初穂料)はサイズや場所によって異なるが、20~200万円くらい
木でできているので4~5年が寿命

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山腹から京都市街を一望する
東西に伸びる新幹線の高架
その向こうに右京区から嵐山方面

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時折、雪がぱらついた
「空寒み 花にまじえて 散る雪に すこし春ある 心地こそすれ」(清少納言)

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鳥居は続くよ どこまでも

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外人さんも奉納している

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山頂(233m)
売店はあるが見晴らしはない

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稲荷と言えばお狐様
境内にいったい何匹いることか?

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眼力社
お参りすると眼が良くなるとか
近眼と老眼と夜盲症と飛蚊症が改善しますように!

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下山後、一番近いHELLO CYCLINGのステーションで電動アシスト自転車を借りる

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北上して高架をくぐる
七条通りに面した三十三間堂(蓮華王院)
南北120メートルに及ぶ本堂は圧巻である

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境内を囲む朱塗りの柱の回廊も美しい

千手観音行列

もちろん、堂内の千躰を超える千手観音も壮観にして森厳たり
ここに来たいと思ったのは、溝口健二監督の名作『西鶴一代女』の冒頭シーンでこのお堂が出てくると勘違いしたからであった。
「なんか違うな?」と思い、帰ってから映画を観直したところ、ロケに使われたのは滋賀県彦根にある天寧寺の羅漢堂であった。

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『西鶴一代女』(1952年大映)
田中絹代が演じる辻君(遊女)が羅漢堂に入って、かつて愛し合った男によく似た羅漢様を見つけるシーン。
「いくら江戸時代でも、遊女が勝手に三十三間堂には入れないよな。それに千手観音の顔はどれも似たり寄ったりで、知り合いの顔を見つけるほどのバリエーションも個性もない。変だな」と気づいた。
天寧寺にはあらためて行こう。

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東大路通を北上
八坂神社付近の食堂で鍋焼きうどんを食べる
寒い日はこれに限る

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東大路通から南禅寺に向かう仁王門通沿いに無鄰菴はある
明治29年に造営された山縣有朋の別荘で、今は京都市が管理している

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はじめて訪れたのは高校2年の修学旅行
以来、各年代で一度は訪れている
自然と人工の調合が実に見事で、来るたびに心休まるお気に入りスポット

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庭から見た母屋
座敷から庭を観ながら、コーヒーや抹茶、特製どら焼などを楽しめる

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園内にある洋館
ここで有朋は、伊藤博文らと日露外交について話し合ったという

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無鄰菴とは、「隣人が無い」人里離れた庵の意
今の無鄰菴は住宅街にあるが、周囲の建物はうまい具合に隠されている

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40年前にはじめて訪れたとき一等感動したのは、東山を借景とするアイデアであった。
実は東山こそが主役であり、それを引き立てるために造られた庭なのだ。
東山からの延長上に自分がいる、自分の中に東山がある、そんな気持ちを抱く50代。

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二条通を走って、市街を横断する
二条大橋から比叡山を望む

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森鴎外の小説で有名な高瀬舟(復元)
運河に散る桜はきれいだろう

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車では入れない、徒歩ではなかなか足を運べない、こういった路地の風情を楽しめるのが、サイクリングのいいところ。
観光スポットだけが京の魅力ではない。

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あちこちに残る京町屋の趣きもゆかしい

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二条城近くの神泉苑
平安時代にはここで、空海と守敏の雨乞い合戦があった(もちろん勝ったのは空海)
現代の人気霊能者・寺尾玲子によると、ここは龍の通るパワースポットだとか
ソルティ的には、池のほとりに立つ朝鮮石人像の由来が気になった

最寄りのステーションに自転車を返し、コンビニで夕食を買い、ホテルにチェックイン。
夜遊びするパワーはいただけなかった。

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