GW中に秩父34観音札所の1~5番を回った。
 2018年の春以来5年ぶり、2巡目である。
 今回は主としてウォーキングが目的なので、白衣もつけず、笠もかぶらず、輪袈裟もかけず、納経もしない(御朱印をもらわない)。
 お堂の前で般若心経と慈悲の瞑想を唱えるだけの簡易スタイル。
 この先を続けるかどうかも未定である。
 昼過ぎからスタートして、「行けるところまで行ければいいや」という暢気なペース。
 前回はかなり気張っていたなあ~とつくづく思う。
 修行モードになっていたのだ。 
 寺も道も逃げない。
 軽い気持ちで、時間を気にせず、風景や路傍の花や人との交流を楽しみながら、のんびり歩いた。

● 歩行日 2023年5月5日(金)  
● 天気  晴れ
● 行程
12:17 秩父鉄道・秩父駅より西武観光バス「定峰行き」乗車
12:40 栃谷バス停
    歩行開始
12:50 第1番四萬部寺(20分stay)
13:50 第2番真福寺(30分stay)
15:10 第3番常泉寺(20分stay)
15:50 第4番金昌寺(10分stay)
16:20 第5番語歌堂(20分stay)
17:00 秩父湯元・武甲温泉
    歩行終了
● 所要時間 4時間40分(歩行3時間+休憩&読経1時間40分)
● 歩行距離 約9km


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西武観光バス、栃谷バス停
第1番まで徒歩10分
前回は秩父鉄道和銅黒谷駅からスタートした

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第1番・誦経山 四萬部寺(ずきょうさん しまぶじ)
永延2年(988)幻通という僧侶が秩父を訪れ、4万部の経典を読経し、経塚を築いたことが寺名の由来

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巡礼者は朝早くにここを発つのが一般なので、人はほとんどいなかった
納経所に寄り、『般若心経』の載っている経本だけ買った(500円)

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平和な里山の道をゆく
「こんな素晴らしい道だったのか・・・」
先を急いでいた前回はじっくり味わわなかった

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カキツバタ(杜若)

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ヤブデマリ(藪手毬)

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人家を離れ、高篠山の木立を登る
第2番は標高390mの地点にある

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ふう~、やっと着いた!
苦が快に変わる瞬間

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お堂の入口にある聖観音菩薩
宝冠に阿弥陀仏を付しているのが特徴
ここまで登ってきた疲れが癒されるホステスぶりで迎えてくれる

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第2番・大棚山 真福寺(おおたなさん しんぷくじ)
16世紀初期にここが最後に加わって、秩父札所34とあいなった
現在は無人である
新緑を抜ける爽やかな風、鶯の鳴き声、心が洗われる

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その名も大棚川に沿って下る(横瀬川に注ぐ)
健康な人なら、バスやマイカーで回るなんて、もったいないパワースポット

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山を下りて人家の見えるあたりで、片足を引きずった男を追い抜く

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第3番・岩本山 常泉寺(いわもとさん じょうせんじ)
背後は秩父聖地公園のある丘陵、周囲は畑、ほんとに良いロケーション
読経を済ませ休んでいたら、さっきの足の悪い男が畑道をやって来るのが見えた
彼も巡礼していたのだ!

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観音堂の虹梁(こうりょう)部分が龍の透かし彫りになっているのが珍しい

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観音堂の本尊は行基作と伝えられている
(実際は室町時代作らしい)
像高97cm、一本造り

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弘化4年(1847)の火災の際に堂から運び出された
胸部にやけどの痕が確認される

横瀬川
ふるさと歩道橋で横瀬川を渡る
足の悪い男としばし同行
昨年暮れに怪我をして3ヶ月入院していたとのこと
リハビリを兼ねての歩き遍路だったのだ
12時に第1番を発ち、あの山道を上り下りしたそうで、「今日はもう、これ以上無理」と。
3年半前に足の骨折を経験したソルティ
彼の回復あれかし、と祈った

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第4番・高谷山 金昌寺(こうこくさん きんしょうじ)
まさにここは山門の大わらじをシンボルとする健脚祈願の寺
自らの左足のここまでの回復を感謝した

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観音堂は、頂点を一つもつ四角すい状の屋根、宝形造(ほうぎょうづくり)という
周りを1300を超える野天の石仏が囲んでいる

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納経所のそばにあったカップル石像
十六羅漢のうちの2人かと思うのだが不明
保阪嘉内と宮沢賢治?)
分かる人がいたら、教えてください

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第5番・小川山 語歌堂(おがわさん ごかどう)
5年前は畑の中にぽつんとあって、どこからもよく見えたのだが、いまや住宅が迫っている
残念だが、畑を売らなければならない事情があるのだろう

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本尊は准胝(じゅんてい)観音 
たくさんの仏の母であり、子授け観音として信仰されてきた
(“胝”の字を出すには“たこ”と打つのが近道)

語歌堂の聖徳太子
ここにも聖徳太子信仰が垣間見られる
太子が頭を丸めた僧侶の恰好をしているのが可笑しい

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今日はここで終了
第5番から武甲山を望みながら道なりに進むと、武甲温泉に着く

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横瀬川の渓流の上を泳ぐ鯉のぼりの群れ
温泉もなかなか群れていた

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もちろん、“アラカン”とは阿羅漢ではない
アラウンド還暦のことである