谷地温泉は日本三大秘湯の一つと言われている。
 あとの二つは、徳島県の祖谷温泉(祖谷のかずら橋で有名)、北海道のニセコ薬師温泉。
 誰がいつ決めたのか知らないが、知る人ぞ知るだからこそ「秘湯」と呼ばれるに値するのだから、「三大」という煽り文句とはそもそもコンセプト的に矛盾する。
 アクセスが困難な僻地という点だけなら、那須の三斗小屋温泉とか日光の八丁の湯とか、もっと秘湯らしいところはある。
 いったいなぜここが選ばれたのだろう?
 確かめるべく、『日本秘湯を守る会』に挙げられている近隣の酸ヶ湯温泉をあえてはずして、宿泊先に選んだ。

〒034-0303青森県十和田市法量谷地1
電話: 0176-74-1181

DSCN6436
谷地温泉バス停から徒歩10分
山小屋風の造りが心和ませる
秘湯っぽい

DSCN6446
入口にかけられたかんじきが雪の深さを物語る

DSCN6449
部屋には冷房がなかったが、朝晩は必要なかった

谷地温泉下の湯
温泉は撮影禁止
宿のホームページから転載させていただきました。
下の湯と呼ばれる38度の無色透明の源泉と、上の湯と呼ばれる42度の白濁した硫黄泉に交互に浸かる。
それとは別に、浴場内の石の階段を降りたひときわ暗い洞窟ようなところに源泉が噴き出しており、このスペースが秘湯っぽい土俗性に満ちている。(混浴あたりまえの昔は、おそらく“いろんな”使われ方をされたのでは?)
温泉は飲むこともでき、肝臓に効くと評判が高い。
下の湯に30分ほど浸かったら、体のすべての凝りや詰まりがほぐれるようであった。

DSCN6425
湯上りに見る夕空
最近空をゆっくり見てなかったと気づく

DSCN6428
お待ちかねの夕食
いわなの塩焼き、いわなのお造り、いわなの天ぷらははずせない

DSCN6429
柔らかな牛肉も美味

DSCN6430


DSCN6448
食堂に飾られたテンの写真
雪の季節の夜に遊びに来るのだという
見事にカメラ目線なのがかわゆい
秘湯のアイドル

DSCN6445
静寂な山間の夜にぎしぎしと鳴る廊下はウグイス張りのよう
人の気配や木のぬくもりが感じられる昭和っぽさが心をつくろがせる
数年ぶりにぐっすり寝た

DSCN6437
さわやかな朝の散歩

DSCN6438
八甲田の大岳が頭をのぞかせる。
ここから約2時間30分で山頂に立てるという
いつか登りたいな

DSCN6439
なんとこの温泉に入らないと、行くことができない神社と池があった
旅館の中にあるドアから、裏手の森に出る

DSCN6441
旅館の裏手の沢を渡る

DSCN6442
天然のイワナが泳ぐ薬師池
そばに谷地神社がある
 
DSCN6447
お待ちかねの朝食
白いおまんまが美味しい

DSCN6452
帰りは青森駅まで車で送っていただいた
約1時間、思ったよりずいぶん速い
ご主人はじめスタッフみな親切でした
また泊まりたいな

DSCN6458
青森駅で駅弁を購入
JR大館駅発のヒット商品、花善の鶏めし弁当(税込み950円)

DSCN6457
青い森鉄道にはじめて乗る
ここからはひたすら列車で南下
持ってきた書籍の出番である

DSCN6459
一ノ関駅ホームの表示板
英語、中国語、韓国語併記はもう当たり前
30年前の旅との一番大きな違いはやっぱりここにある
仙台牛タン店、盛岡冷麺店、五能線、奥入瀬渓流、谷地温泉、どこに行っても外国人と会わずには済まなかった。
ネット時代の人の動きって凄いな。

ガラ携と紙の時刻表をもって旅するソルティはシーラカンスみたいだ。