第1部『伝説誕生』2015年、138分
第2部『王の凱旋』2017年、141分
世界中で大ヒットしたボリウッド発の叙事詩的ヒーロアクション。
古代インドの大国マヒシュマティ王国を舞台に、王位をめぐる2人の王子バーフバリ(父)とバラーラデーヴァの従兄弟同士の対決、および、奸計によって国王の座をもぎとったバラーラディーヴァを倒し、捕えられた母を救うバーフバリ(息子)の激動の半生を、最新のVFX技術を駆使して描く。
古代インドの大国マヒシュマティ王国を舞台に、王位をめぐる2人の王子バーフバリ(父)とバラーラデーヴァの従兄弟同士の対決、および、奸計によって国王の座をもぎとったバラーラディーヴァを倒し、捕えられた母を救うバーフバリ(息子)の激動の半生を、最新のVFX技術を駆使して描く。
父バーフバリ―と息子バーフバリ―を、南インド出身の俳優プラバース(1979年生まれ)が一人二役で演じている。
『RRR』同様、とにかく頭をからっぽにして楽しめる映画。
国籍や民族や地域や時代を超えて、人類の遺伝子に書き込まれた普遍的な「物語」の強さというものを、ひしひしと感じさせられる。
それが神話の力というものなのだろう。
人の心の奥に潜む情動を揺り動かすので、悪用されると恐ろしい。
観ていて思ったが、インド映画にもっとも近いのはイタリアオペラではなかろうか。
観ていて思ったが、インド映画にもっとも近いのはイタリアオペラではなかろうか。
わかりやすいご都合主義の物語。
歌と音楽(と踊り)の目覚ましい効果。
色彩の氾濫。
愛と闘い。
エロティックなくすぐり。
エグいまでの残虐性。
自由を求める大衆の声。
インド映画に会ってイタオペにないものの筆頭は、野性の動物たちの愛敬だろう。
そうそう、普遍的な「物語」と言ったが、本作で特徴的なのは、女性の登場人物たちの強さである。
バーフバリ親子に関わる女性たち(マヒシュマティ王国の女王シヴァガミ、父バーフバリの妃デーヴァセーナ、息子バーフバリ―の恋人アヴァンティカ)が、そろって男勝りの自立した女性として描かれている。
このあたりは、フェミニズムに目覚めた現代の女性観客を意識してのことと思われる。
一方、男勝りの鼻っ柱の強い女性の固い鎧を脱がして一人の恋する“おんな”にしてしまう、バーフバリ―の男性的魅力をさらに爆上げする手段、とも解される。
暑苦しいヒゲ面と筋肉隆々の中年男子こそ、インドのイケメン。
日本では都会のジムに行かないとお目にかかれない。(結構の確率でゲイだったりする)
日本では都会のジムに行かないとお目にかかれない。(結構の確率でゲイだったりする)
おすすめ度 :★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損