日時: 2024年3月3日(日)
会場: なかのZERO 大ホール
曲目:
- ラヴェル: 古風なメヌエット
- コダーイ: ガランタ舞曲
- ラフマニノフ: 交響曲第2番
指揮: 清水宏之
前回、中野駅に降りたのは 2023年7月のオーケストラ・ルゼル演奏会であった。
今回、南口を出て、目の前に聳え立つピカピカの超高層ビルにびっくりした。
雨後の筍のごと、いきなり出現したかのような唐突感。
わずか半年で積み上がってしまう現代の高層ビル建築技術に恐れ入った。
聞くところによると、現在中野駅周辺では100年に一度の再開発プロジェクトが進行中なのだとか。
う~ん、お金はあるところにはあるのね。
ニューシティオーケストラは、はじめて聴く。
1976年発足というから、アマオケとしては古株のほうではなかろうか。
幅広い年齢のメンバー構成と見受けられた。
1曲目のラヴェルは手慣らしといったところか。
金管のテンポが微妙で、ちょっと不安に襲われた。
2曲目の『ガランタ舞曲』で調子に乗った。
作曲者コダーイ・ゾルターン(1882-1967)の出身地ハンガリーのロマ(旧称:ジプシー)の音楽を基調とした楽しい舞曲で、次々と入れ替わる曲調や表情が飽きさせない。
ヴェルディ然り、ビゼー然り、ブラームス然り、ドヴォルザーク然り、マーラー然り、西洋音楽におけるロマ音楽の影響の大きさをつくづく感じさせられた。
休憩後のラフマニノフ交響曲2番こそ、このオケの伝統と底力、および指揮者清水宏之の感性の豊かさを感じさせるものであった。
ラフマニノフの音楽の美しさと哀切を骨の髄まで感得させてくれる名演で、第2楽章の途中から目頭が熱くなり、第3楽章から体の周囲にオーラの焔が湧き立った。
音楽と一体化した徴である。
音楽と一体化した徴である。
川の流れのような弦楽器の流麗な調べに、金管、木管、打楽器が、非常にバランスよく乗っていた。
ブラボー!
ブラボー!
共産主義革命とスターリン独裁を経ようが、東西冷戦の末のソ連崩壊を経ようが、プーチン強権下のウクライナ侵攻で世界中から非難を浴びようが、ロシア人の魂の奥底にはラフマニノフの音楽が息づいているはずだ。
熱い魂と深い人情が、深い雪の下の流水のように滾っているはずだ。
そのことを忘れてはいけないと思った。