2024年三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売

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 ベストセラーとなった『ザイム真理教』に続く、膵臓がん末期にある著者渾身の告発第2弾。
 店頭で目次を見て、今回は財務省関連のことだけでなく、旧ジャニーズ事務所の未成年男子に対する性加害事件や1985年に起きた日本航空(JAL)123便墜落事故のことも書いてあると知り、気になって買ってしまった。
 財務省と芸能スキャンダルと航空機事故。
 なぜこの3つなのかというと、著者森永のメディア業界での長いキャリアにおいて、「けっして触れてはいけないタブー」がこの3つだったからという。

 この3つに関しては、関係者の多くが知っているにもかかわらず、本当のことを言ったら、瞬時にメディアに出られなくなるというオキテが存在する。それだけでなく、世間から非難の猛攻撃を受ける。下手をすると、逮捕され、裁判でも負ける。

 情けなくも外国メディア(BBC)の力を借りてその一角が崩れたことは、世間が知る通りである。
 財務省の“カルト的財政緊縮主義”については、森永自身がついに告発し、世論に一石を投じた。(10万部を超えたという。が、大手メディアは無視を続けている)
 残りの一つ、JAL123便墜落事故がいまだタブーのままと言える。

 ソルティは、この未曽有の被害をもたらした航空機墜落事故の原因をめぐって、政府によって公式に発表されたもの――機体後部の圧力隔壁の損壊――とは違った説が巷で唱えられていることは知っていた。
 例えば、まことしやかに聞かされたものの一つが、在日米軍による実戦訓練中のミサイル誤射だ。
 だが、松本清張『日本の黒い霧』に描かれていたGHQ占領下の1940年代、あるいはその余韻を引く1950年代ならともかく、いみじくも Japan as No 1 と言われた80年代で、米国主導によるそんな大がかりな隠蔽工作が可能だろうか?
 一種の陰謀論の域を出ないものと認識していた。

 しかるに、本書で推測されている墜落の原因は、よりショッキングなものだった。
 これがもし事実であることが証明され大っぴらになったら、事故から40年近く経った令和の今でも、岸田自公政権は一夜にして吹き飛ぶだろう。
 阪神淡路大震災や東日本大震災はじめ、ここ数十年天災あるたび懸命な救助に当たり、国民の間に評価と信頼を培ってきたJ隊の好感度も、それこそ失墜するだろう。
 個人的には陰謀論であってほしいと思うけれど・・・・まさか、ね。

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 看過できないのは、著者が約40年前のJAL123便墜落事故の真相解明を、今も強く訴える理由である。

 この30年間、日本経済は転落の一途をたどった。かつて世界シェアの2割を占めていた日本のGDPは今、4.2%にまで転落している。
 なぜ、こんなことが起こったのか。私は原因は2つだと考えている。
 1つは財務省が進めてきた必要以上の財政緊縮政策。財政をどんどん切り詰め、国民生活を破壊する。これに関しては前著『ザイム真理教』に詳しく書いた。
 そして、もう1つが本作で述べた日本航空123便の墜落事故に起因する形で日本が主権をどんどん失っていったという事実だ。国の経済政策をすべてアメリカにまかせてしまえば、経済がまともに動くはずがない。

 JAL123便の事故原因の隠蔽――そこにこそ過去30年間の日本経済低迷の最たる理由があると言うのである。
 これは、ソルティの耳には新説であった。
 珍説であることを祈るばかりだ。

 旧ジャニーズ事務所の“醜聞”――という生ぬるい表現ではもはや済ませられない時代である――については、J氏と同じセクシュアルマイノリティの一人として同時代を生きてきた人間として、いろいろと思うところはあるのだが、それはまたそのうち書きたい。
 とりあえずは、前著と本書による森永氏の告発の行方を注視したい。

 それにしても三五館シンシャさん、やりましたな!




おすすめ度 :★★★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損