2008年創元推理文庫(宇野利泰訳)
収録作品(初出年)
『妖魔』以上の驚くべきトリックや意外な結末が仕組まれているかと期待して読んだら、なんとまあ、思いがけずラストで泣いてしまった。
19世紀半ばのニューヨークの風情、密室で紛失した遺書のありかを探すというプロット、癖のあるアメリカ人たちを描き分ける巧みさ、そして「パリから来た紳士」によるあざやかな推理。
これだけでも十分良作の名にあたいすると思うが、なんと言っても、「意外過ぎる結末!」にしてやられた。
本格推理小説の愛好者で、この結末にシビれない者、感動しない者がいるだろうか?
他も読みがいのある面白い作品ばかり。
個人的に良かったのは、『外交官的な、あまりに外交官的な』と『ウィリアム・ウィルソンの職業』。
トリックの発想力に関して言うなら、カーと並び賞されうるはコナン・ドイルとG.K.チェスタトンだけで、クリスティやクイーンや江戸川乱歩は後れを取る。
ただ、ヘンリー・メルヴィル卿(100kg)にしろ、フェル博士(125kg)にしろ、マーチ大佐(107kg)にしろ、カーの創造した探偵はいま一つ華がない。
だいたい、なんでみんな太っているのだろう?
カーはデブ専だったのか?
おすすめ度 :★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
収録作品(初出年)
- パリから来た紳士(1950)
- 見えぬ手の殺人(1958)
- ことわざ殺人事件(1943)
- とりちがえた問題(1945)
- 外交官的な、あまりに外交官的な(1946)
- ウィリアム・ウィルソンの職業(1944)
- 空部屋(1945)
- 黒いキャビネット(?)
- 奇蹟を解く男(1956)
『妖魔』以上の驚くべきトリックや意外な結末が仕組まれているかと期待して読んだら、なんとまあ、思いがけずラストで泣いてしまった。
19世紀半ばのニューヨークの風情、密室で紛失した遺書のありかを探すというプロット、癖のあるアメリカ人たちを描き分ける巧みさ、そして「パリから来た紳士」によるあざやかな推理。
これだけでも十分良作の名にあたいすると思うが、なんと言っても、「意外過ぎる結末!」にしてやられた。
本格推理小説の愛好者で、この結末にシビれない者、感動しない者がいるだろうか?
他も読みがいのある面白い作品ばかり。
個人的に良かったのは、『外交官的な、あまりに外交官的な』と『ウィリアム・ウィルソンの職業』。
トリックの発想力に関して言うなら、カーと並び賞されうるはコナン・ドイルとG.K.チェスタトンだけで、クリスティやクイーンや江戸川乱歩は後れを取る。
ただ、ヘンリー・メルヴィル卿(100kg)にしろ、フェル博士(125kg)にしろ、マーチ大佐(107kg)にしろ、カーの創造した探偵はいま一つ華がない。
だいたい、なんでみんな太っているのだろう?
カーはデブ専だったのか?
おすすめ度 :★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損