日時: 2024年8月24日(土)
会場: 大田区民ホール アプリコ大ホール
曲目:
- シューマン: 交響曲第3番「ライン」
- ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」
指揮: 山上紘生
Orchestre de SAVEUR は、2022年結成のアマオケ。
SAVEUR とはフランス語で「味わい」を意味するそうだ。
練習を「サボ~る」と掛けているのかなと思ったが、発音は「サブール」らしい。
旗揚げ時から山上が指揮をしている。
山上の音楽哲学が良く表現され、味わえるオケと言っていいだろう。
アマオケ業界事情はよく知らないが、売れっ子と言っていいのではないか。
指揮者としての才能はもとより、見るからに穏やかで優しそうな人柄が、人気の理由ではなかろうか。
パワハラNGの昨今の風潮は当然音楽業界にも及んでいるだろう。
パワハラNGの昨今の風潮は当然音楽業界にも及んでいるだろう。
演奏レベルはかなりのものだった。
息の合ったトゥッティ(総奏)の輝かしく張りのある音と切れ味、ソロ(独奏)における技巧の高さと安定性。
山上のコミュニケーション力が優れているのか、秘められたカリスマ性ゆえなのか、あるいは砂に水が沁み込むようなオケメンバーの飲み込みの良さのためなのか、指揮者とオケとが一体となって最初から最後まで統一されたフォームを維持していた。
3回目にしてこの完成度はすごい。
1曲目は『ライン』(SNSではなくて、ライン川のことだ)。
実はシューマンはどこがいいのかよく分からない作曲家だった。
オーケストレーションではベートーヴェンの二番煎じみたいな印象があり、ブラームスやドヴォルザークやチャイコフスキーのようなメロディメイカーでもなく、個性がよくわからなかった。
が、今回はじめて「おっ、いいじゃん!」と思った。
第3楽章、第4楽章の深い陰影ある宗教性は、シューマンの個性というか人生観を匂わせているように思った。
山上の指揮が、これまで関心なかった作曲家の良さに気づかせてくれたのは、ショスタコーヴィチについで二人目である。
2曲目の『英雄』。
曲自体があまりに素晴らしいので、アマオケ平均レベルの演奏で十分感動する。
曲自体があまりに素晴らしいので、アマオケ平均レベルの演奏で十分感動する。
山上&サブールは平均以上だったので、感動は大きかった。
なにより、聴いているこちらのチャクラを刺激する音波の威力がはんぱない。
舞台から放たれた音波が、丹田のチャクラ、胸のチャクラ、喉のチャクラ、額のチャクラを直撃し、ビリビリと震わせ、固い扉をこじ開け、体内に侵入する。
それによって、体内に詰まっていた“気”の塊が解きほぐされ、活性化し、さまざまな感情の澱みを解放しながら、周囲に揺らめく透明の煙となって湧き上がり、消えていく。
脳内ルクスが上がり、心身が浄化される。
丸1日間部屋にこもって瞑想したのと同じ効果が、ほんの1時間足らずで達成され、鍼治療受けた後のように心身が整った。
ソルティが山上の指揮するコンサートに足を運んでしまうのは、このチャクラ・マッサージによる“整い”効果ゆえである。
同じ効力は和田一樹の指揮でも実感される。
本日は、18時から県立神奈川音楽堂で和田一樹指揮によるベートーヴェン交響曲第2番(オケはEnsemble Musica Sincera ←横文字の使用はそんなにカッコいいか?)があった。
JR蒲田から桜木町へ、京浜東北線によるベートーヴェン行脚を予定していたのだが、『ライン』と『英雄』を十分“味わい”、満腹になったので行くのは止めた。
雷雨の予感もあった。