日時: 2024年11月5日(火)18:30~
会場: 杉並公会堂 大ホール
曲目:
- ワーグナー: リエンツィ序曲
- ブルックナー: テ・デウム
- ブラームス: 交響曲第3番
- (アンコール) ワーグナー: 『ローエングリン』より「エルザの大聖堂への行進」
指揮: 和田 一樹
還暦の声を聞くようになって、夜が早くなった。
仕事を終えて帰宅し、夕食後8時くらいに自室に戻ると、もう眠くてたまらない。
畳んである布団の上に崩れるように倒れ込むと、そのまま3~4時間くらい爆睡する。
真夜中にすっきり目覚めて、今度はそこからが長い。
布団をちゃんと敷いて毛布にくるまるが、眠れない。
読書やスマホの麻雀ゲームをし、何度もトイレに足を運ぶ。
朝刊配達のバイク音がする頃、ようやくウトウトしてくる。
一日仕事を終えたあとで、飲み屋や映画館をはしごしたり、スポーツジムに行った帰りにビデオを借りて深夜まで映画を観たり、ボランティアの集まりに参加して仲間と議論したり・・・・なんてことが普通にできた一昔前の体力がなつかしい。
いまではクラシックコンサートも、仕事のある平日の夜は避けて、土日に行くようにしている。
ありがたいことにアマオケの演奏会はおおむね土日の午後2時開演が多いので、昼食を食べ過ぎさえしなければ、万全の体制でのぞめる。
本公演は午後6時半開演であったが、有休をとる予定でいたので、安心してチケットを予約した。
ところがどっこい、急な仕事が入ってしまい、出勤せざるを得なくなった。
バタバタと追われるように仕事を片付けて、タイムカードを押し、夕食を取る間もなく、JR中央線荻窪駅に向かった。
TVニュースでお馴染みの生鮮市場アキダイの前を通って、杉並公会堂へ。
なんとか開演に間に合った。
――と、ここまで書けばお分かりのように、今回のコンサートは感想を述べる資格がない。
勇ましい「リエンツィ」も眠気を吹き飛ばすに至らず、合唱隊と4人のソリストが揃った壮麗な「テ・デウム」も頭を覚醒させるに及ばず(逆に単調なリズムの持続と地味な旋律の繰り返しの多いブルックナー音楽は催眠効果が高いように思う)、20分休憩後の定番ブラームス交響曲第3番でさえ、ステージとの間に透明な膜でもあるかのように、音楽が遠くに感じられた。
そういう状態の時でさえ、生き生きした音の力で一瞬にして心身を呼び覚ましてくれるのが和田一樹なのだが、今回はソルティの“かんれき力”のほうが強かった。
アンコール「エルザの大聖堂への行進」でやっと膜が破れた。
アンコール「エルザの大聖堂への行進」でやっと膜が破れた。
やはり、仕事後のコンサートや映画はもうNGだ。