奈良大学から届いた封書に、奈良学友会関東支部による学習相談会(東京会場)の案内があった。
 奈良大学通信教育学部を卒業したいわゆるOB/OGが、在学中の学生のために、学習の進め方や卒業論文のテーマ設定など、各種相談に乗ってくれるというのだ。
 もちろん、ボランティアである。

 場所は、地下鉄丸の内線・茗荷谷駅から歩いて7分の林野会館。
 ここはレポート合格後に受ける学科試験の東京会場となっている。
 ソルティはやっと一科目めのレポートを提出したばかりで、今のところ、是が非でも誰かに相談したいような壁にぶつかっているわけではないが、先に入学した学生たちがどんな困難や課題を抱えているのか知っておくのも為になろうと思って、試験会場の下見も兼ねて参加した。


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地下鉄丸ノ内線・茗荷谷駅

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林野会館

 参加者は思ったより少なくて十数名、アドバイザーであるOB/OGのほうが多かった。
 おおむね60~70代くらいが中心だった。
 自分が卒業したあとも、こうやって後輩のために自腹を切って相談会を設けてくれる親心をありがたく思う。
 その後も奈良大学に残り続けて博物館学芸員の資格を取ったり、興味を持った分野を究めるため別の大学に入学したり、学習意欲の高さは素晴らしい。
 スクーリングを通して新しい友人を得、関東支部主催の研究発表会を催し、交流会と称した飲み会を重ね、退職後の第二、第三の人生を楽しんでいる様子が伺えた。
 「こういう人たちは、認知症になるリスクが低いだろうなあ~」
と、日頃仕事で高齢者のよろず相談を受けているソルティは思うのであった。

 参加者は少ないながらも、多岐の内容にわたる質問が次から次へと出て、90分という短い時間では到底収まらなかった。
 合格するレポートを書くコツや、必修のスクーリングを受ける効率的な順番や、履修登録時の科目数はできるだけ多くしたほうがいい(なぜなら単位をとってもとらなくても、すべてのテキスト代は年度授業料に含まれるから)とか、卒業論文を用意するタイミングとか、有益な情報をいただくことができた。

 先輩たちの話を伺っていると、「レポート3回目でやっと合格」とか「学科試験2回落ちた」とか「60点の合格ラインで、毎回59点で落とされた」とか「3年で卒業のつもりが5年かかった」とか、結構苦労してきたさまが伺えた。
 意外と理系出身の人が多いようで、文学関係のレポートの書き方に戸惑っている声もあった。
 「会社にいた頃は何百と報告書作って来たんだが、勝手が違い過ぎて・・・・」

 通信教育は孤独との闘い。 
 先達や仲間たちの存在に触れ、声を聞いて、最初のレポートを提出していささか緩んでいたモチベーションが回復した。
 茗荷谷駅への帰り道にある占春園を散策し、見事な大イチョウと出会った。


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