1879~1930年初出
2024年中公文庫

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カバーイラストはナミサトリ

 シャーロック・ホームズ物でないコナン・ドイル作の14の短編を収録。
 20才のみぎりで発表したデビュー作『ササッサ谷の怪』から、没年に書かれた最後の小説『最後の手段』まで、時系列で読めるのがうれしい。
 得意の犯罪小説以外にも、怪奇、ユーモア、恋愛、家庭悲話、海洋小説、戦争物などバラエティに富んでいる。
 14編の中では、スピリチュアリズムに関心の高かったドイルらしい『幽霊選び』、アルコール依存症の夫に苦労する母を見て育ったドイルの子供時代を思わせる『やりきれない話』、ボーア戦争や第1次世界大戦に率先して戦争協力したドイルの軍人精神(マチョイズム)を示す『死の航海』が面白かった。
 ただし、やっぱり、面白さではシャーロック・ホームズ物には全然かなわない。
 ホームズ物がなかったら、ドイルの名はおそらく、何度か映画化された『ロスト・ワールド』をもってしても、イギリス文学史に残らなかったであろうし、この短編集も世に出なかったであろう。
 ホームズ&ワトスンというキャラクターの創造こそが、コナン・ドイルの最大の成功のもとであったと、あらためて思った。




おすすめ度 :★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損