高市内閣が成立してからというもの、ソルティは鬱っぽい。
むろん、戦前(大日本帝国)の日本にどんどん逆戻りしていく気配が増して、軍靴の響きが近づいていると感じるからである。
高市早苗がああいう人なのは先刻承知なので今さら驚く話でもない。
ショックなのは、自民党議員が決選投票で彼女を選んでしまったという事実、そして(ホントかどうか怪しいと思うが)70%とかいう国民の支持率の高さである。
昭和時代にはまったく考えられないことである。
「自民党も日本国民もすっかり変わってしまった! 世代が代わるというのはこういうことなのか!」と暗澹たる思いがする。
田中角栄元首相が、新人議員にいつも言っていた言葉が思い起こされる。
戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない。

田中角栄元首相
そんな鬱っぽい状態にあって届いた考古学概論レポート「再提出」の知らせは、黒い縁取りがありました♪――じゃなくて、ソルティを2日間ほど落ち込ませた。
テキストはもちろん、多くの本やネット記事を読みこみ、千葉の国立歴史民俗博物館まで足を運び、1ヵ月半かけて作成した渾身のレポート(のつもり)だったので、徒労感がはなはだしかった。
「この1ヵ月半を返してくれよォ~!」
合格を前提に立てた今後の勉強計画も作り直さなければならなくなった。
トホホ・・・・
まあしかし、「もしかしたら蹴られるかも・・・」という予感はしないでもなかった。
というのも、考古学概論のレポート設題に、「考古学とはどのような学問であるのか、自由に論じなさい」とあったので、ソルティはかなり“自由に”論じてしまったのである。
おおむね、指定された6400字+αのうち、テキストとサブテキストに沿った部分は1/3(2200字+α)で、残り2/3(4400字+α)はテキストにないことばかり書いた。
ソルティのつもりでは、考古学と関係あるテーマを複数取り上げ、「考古学とはどういう学問か」を自分なりの視点から論じたのだが、先生からの講評には、「あまりにも考古学と直接関係のない内容が多すぎます」とあった。
結局、テキスト内容をふくらませたレベルの“自由度”が求められていたらしい。
実はソルティ、そのあたりの注意ポイントは先刻承知であった。
昨年12月に奈良学友会関東支部による学習相談会(東京会場)に参加したときに、卒業されたOB/OGからそのへんの秘訣は授けられていたし、ネットに掲載されている卒業生の体験談からも「“自由に”という文句につられてはいけない」という教訓を得ていた。
分かっていたのにやってもうた。
まるでオレオレ詐欺に引っ掛かった高齢者のよう・・・・。
しかし、今回ソルティは“自由に”書かずにはいられなかった。
というのも、考古学概論についてのレポートを書くために、人生ではじめて考古学関係の本をあれこれ読んだり、千葉くんだりまで遠足したりしているうちに、考古学の面白さを発見すると同時に、現在、考古学がたいへんな転換点に置かれていると思ったからである。
その背景の一つが、考古学におけるAI技術を含む自然科学的方法の驚異的な成果である。
たとえば、ナスカの地上絵の発見率が、AIの利用によって、これまでの16倍高まったとか、古代ゲノム(遺伝情報)研究によって、日本人の起源が「縄文人+弥生期渡来人+古墳期渡来人」の三重構造と判明した、とか凄すぎるではないか!
もう一つが、『万物の黎明』という本の刊行(2021年)である。
この本は、『負債論』『ブルシット・ジョブ』などの著書がある人類学者デヴィッド・グレーバー(2020年9月逝去)と考古学者デヴィッド・ウェングロウの共著で、邦訳は酒井隆史訳で2023年9月に光文社から刊行された。
ソルティは、邦訳発行時に書店の平棚で見かけ、タイトルからスピリチュアル本と思って手に取った。
が、違った。
考古学か人類学の本で、難しそうで、しかも分厚い。
すぐ棚に戻したのであった。
それがこうして、奈良大学の学生になり、考古学を学ぶことになったおかげで、再び手に取ることになったのである。
そして、この本がかなり衝撃的な、人類の歴史認識を揺るがせるような、パラダイム変化をもたらす可能性を秘めた爆弾であると察した。
実際、世界でも日本でも、多くの人類学者や考古学者や歴史学者が、本書に衝撃を受け、影響されて、自らの研究の見直しを始めている。
現在NHK教育テレビでやっている『3か月でマスターする古代文明』という番組も、間違いなく『万物の黎明』を下敷きにしている。
すでに影響は広範囲に及んでいるのである。
(個人的にも、高市内閣由来の“鬱っぽさ”を解消してくれる薬になった)
ソルティは、今回レポートを書くにあたり、どうしても上記2点を指摘せざるをえなかった。
たとえ、設題の趣旨からはずれていようとも、書かずにはいられなかった。
このたびの学びの最大の成果はそこにあったからである。
よろしい。「再提出」も甘んじて受けましょう。
今は、間近に迫る書誌学の試験の勉強(というより暗記)に追われている。
本来ブログ記事をのんびり書いている余裕はない。
とり急ぎ、現在奈良大学通信教育学部で学んでいる学友諸兄(姉)の参考になればと思い、一筆啓上申し上げた次第。
P.S. 卒業した暁には、「奈良大学通信教育・再提出レポート&不合格答案集」を記事に上げようと思っています。原稿が溜まりますように(笑)

