今年は50本の映画を観た。
 昨年は61本、一昨年は77本。
 どんどん減っていく。
 一番大きな理由は、昨年10月から奈良大学通信教育学部に入学したことだろう。
 空いている時間のかなりの部分が、勉強に費やされるようになった。
 齢を取って、寝るのが早くなったことも大きい。
 仕事を終えた後に映画を観るのがきつくなった。
 20~40代の頃には考えられなかったなあ。

 以下、鑑賞した順に10本を上げる。
  • クロース』(ルーカス・ドン監督、2022)
    胸痛のボーイズラブ映画。主人公の少年を演じる子役の演技と映像の美しさに涙そうそう。
  • ソフト/クワイエット』(ベス・デ・アラウージョ監督、2023)
    92分ノンストップのワンカット撮影のド迫力。“トランプのアメリカ”の恐怖を描破したホラー・ポリティカル映画。
  • 奇跡』(カール・テオドア・ドライヤー、1955)
    モノクロ映像の効果が十全に発揮された古典的傑作。映画が映像芸術であることを証明してあまりない。
  • 国宝』(李相日監督、2025)
    動員数1200万人超え。日本人10人に1人が観た2025年を代表する一本。3時間近い長尺を感じさせない脚本&演出&演技の勝利。
  • 宝島 HERO'S ISLAND』(大友啓史監督、2025)
    この映画がヒットしなかったことが、今後の日本の暗い行方を暗示している気がしてならない。役者たちの熱い魂の叫びがスクリーンから放射されている稀なる映画なのに。
  • Playground/校庭』(ローラ・ワンデル監督、2021)
    子供たちが遊ぶ小学校の校庭が描き出すのは、現代社会の歪み、迷走する世界。徹頭徹尾、子供目線のカメラが、観る者を事件の目撃者に引きずり込む。
  • あ、春』(相米慎二監督、1998)
    今年いちばん後味の良かった映画かもしれない。佐藤浩市(あ、名前がすぐに出た!)、山崎努、富司純子のコミカルな演技が痛快。
  • 教皇選挙』(エドワード・ベルガー監督、2024)
    個人的にはこれが今年のベスト1。寛容と隣人愛を忘れたカトリック本山に希望はあるのか? 人類は再び『創世記』から始めなければならないのか?
  • 日本鬼子 リーベンクイズ』(松井稔監督、2000年)
    10人に1人の日本人が本作を観てくれたら、日本は変わる。自らの過去の悪行を正直に告白する元日本兵たちが、酷いところに生まれ変わりませんように。
  • MOTHER』(大森立嗣監督、2020年)
    長澤まさみの役者としての力量に感嘆した。美人で演技もできるって、どういうこと? 「天は二物を与えず」の例外がここにある。
 うち7本が2020年以降の公開。
 今年は結構新しい作品が揃った。
 全般に、社会問題や政治がテーマのものが多い。
 世界を見ても、日本を見ても、キナ臭い空気が蔓延していて、それに触発されたせいかもしれない。
 もっと明るく笑える映画、しみじみと心温まる映画、ストーリーより映像の素晴らしさに酔えるような映画が観たいのだが・・・・・。
 『日本鬼子』を観に行ったときなど、映画館の前で、あるいは上映中に、右翼ピーポーの妨害を受けるんじゃないかと心配した。
 知る限りでは別段何事も無かったけれど、そういう想像が「杞憂」と笑って済まされない2025年現在の日本である。

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生きとし生けるものが幸福でありますように!