1988年日本
124分、アニメ
1月3日にNHK教育で放映されたものを録画視聴。
20代の時にリアルタイムで劇場で観たような気もするのだが、内容をまったく覚えていなかった。
ソルティはアニメ映画がそれほど好きでなかったし、バイクや戦車や戦闘機などメカニックにも興味持てないし、大友の描く世界は暴力的・マッチョ的匂いが感じられたので、惹かれなかったのだろう。
ただし、1980年に発表された『童夢』だけは例外で、漫画という視覚芸術のもつ表現の豊かさと、ストーリー(いわゆるネーム)の形づくる文学性とが、日本漫画史上最高の完成度において結実したのがあの作品だと、今でも思っている。
大友克洋の名前は『童夢』とともに残るであろう。
公開から38年経ってあらためて観た『AKIRA』には驚かされた。
なんと言っても映像表現の凄さである。
CGによる高度で自由自在な動画制作が可能となった今においても、まったく古さや稚拙さを感じさせない。
88年の段階で、日本のアニメはここまでのレベルに達していたのかと驚嘆させられた。
現在、世界各国から若者たちが日本にやって来るが、彼らの動機には「日本のアニメが好きだから」「子供の頃から観ていたから」というのが非常に多い。
ソルティのまったく聞いたこともないような日本製のアニメの名前やキャラクターの名前を彼らが嬉しそうに口にするのを見ると、冗談のような気がしてしまう。
日本のアニメの国際化(とくにネット時代に入ってからの)に対する自分の不明を突きつけられる。
まさにその先鞭をつけたトップランナーが、この『AKIRA』と宮崎駿作品なのだろう。
現在活躍する海外のクリエイターのどれだけ多くが、少年少女時代に『AKIRA』を観て、衝撃を受け、映像の道を進むきっかけとしたことか。
その意味で、日本アニメ史における記念碑的作品と言っていいのだろう。
ただし、最初から最後まで映像の凄さには驚嘆させられたものの、プロット的には不完全燃焼というか、尻切れトンボというか、『童夢』ほどの衝撃はなかった。
作画のリアリティほどには、ストーリーのリアリティは担保されておらず、ラストに近づくにつれ、どんどん話が荒唐無稽のご都合主義になっていき、登場人物たちの心理もよくわからない突発的なものになっていく。
まるで少年漫画のよう・・・・・
――ってこれは漫画だった。
そう、ソルティがその昔アニメから“卒業”したのは、ストーリーのリアリティの無さ、単純で紋切り型のキャラクター、悪と正義の対決といった平板な世界観に飽いたからだった。
以来、実写映画専門になった。
しかるに、アニメもここ数十年でずいぶん変わった。
大人の鑑賞に堪える――という言い方はいささか“差別的で”好きでないが――観た後に深い余韻を残すアニメも数多くある。
たとえば、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995)、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)、『かぐや姫の物語』(2013)、もちろん『もののけ姫』、『風立ちぬ』などの宮崎駿作品・・・・。
今年はアニメ映画をもっと開拓して行こう。
おすすめ度 :★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
124分、アニメ
1月3日にNHK教育で放映されたものを録画視聴。
20代の時にリアルタイムで劇場で観たような気もするのだが、内容をまったく覚えていなかった。
ソルティはアニメ映画がそれほど好きでなかったし、バイクや戦車や戦闘機などメカニックにも興味持てないし、大友の描く世界は暴力的・マッチョ的匂いが感じられたので、惹かれなかったのだろう。
ただし、1980年に発表された『童夢』だけは例外で、漫画という視覚芸術のもつ表現の豊かさと、ストーリー(いわゆるネーム)の形づくる文学性とが、日本漫画史上最高の完成度において結実したのがあの作品だと、今でも思っている。
大友克洋の名前は『童夢』とともに残るであろう。
双葉社発行
公開から38年経ってあらためて観た『AKIRA』には驚かされた。
なんと言っても映像表現の凄さである。
CGによる高度で自由自在な動画制作が可能となった今においても、まったく古さや稚拙さを感じさせない。
88年の段階で、日本のアニメはここまでのレベルに達していたのかと驚嘆させられた。
現在、世界各国から若者たちが日本にやって来るが、彼らの動機には「日本のアニメが好きだから」「子供の頃から観ていたから」というのが非常に多い。
ソルティのまったく聞いたこともないような日本製のアニメの名前やキャラクターの名前を彼らが嬉しそうに口にするのを見ると、冗談のような気がしてしまう。
日本のアニメの国際化(とくにネット時代に入ってからの)に対する自分の不明を突きつけられる。
まさにその先鞭をつけたトップランナーが、この『AKIRA』と宮崎駿作品なのだろう。
現在活躍する海外のクリエイターのどれだけ多くが、少年少女時代に『AKIRA』を観て、衝撃を受け、映像の道を進むきっかけとしたことか。
その意味で、日本アニメ史における記念碑的作品と言っていいのだろう。
ただし、最初から最後まで映像の凄さには驚嘆させられたものの、プロット的には不完全燃焼というか、尻切れトンボというか、『童夢』ほどの衝撃はなかった。
作画のリアリティほどには、ストーリーのリアリティは担保されておらず、ラストに近づくにつれ、どんどん話が荒唐無稽のご都合主義になっていき、登場人物たちの心理もよくわからない突発的なものになっていく。
まるで少年漫画のよう・・・・・
――ってこれは漫画だった。
そう、ソルティがその昔アニメから“卒業”したのは、ストーリーのリアリティの無さ、単純で紋切り型のキャラクター、悪と正義の対決といった平板な世界観に飽いたからだった。
以来、実写映画専門になった。
しかるに、アニメもここ数十年でずいぶん変わった。
大人の鑑賞に堪える――という言い方はいささか“差別的で”好きでないが――観た後に深い余韻を残すアニメも数多くある。
たとえば、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995)、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)、『かぐや姫の物語』(2013)、もちろん『もののけ姫』、『風立ちぬ』などの宮崎駿作品・・・・。
今年はアニメ映画をもっと開拓して行こう。
おすすめ度 :★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損

