横浜から東京方面に向かうJR京浜東北線が大森駅を発車してすぐ左手に、「大森貝塚」と書かれた大きな石碑が現れる。
20代の学生の頃からずっと車窓から見かけていた光景なのに、一度も行ったことがなかった。
大森貝塚は、アメリカから来日した動物学者エドワード・モース(1838-1925)が、明治10年(1877)6月19日に横浜から新橋へ向かう列車の車窓から発見した。
日本で最初に学術調査が行われたことから「日本考古学発祥の地」と言われている。
考古学を学ぶ者なら、やはり一度は足を運んでおきたいではないか。
しっかり防寒対策して出かけた。
日本で最初に学術調査が行われたことから「日本考古学発祥の地」と言われている。
考古学を学ぶ者なら、やはり一度は足を運んでおきたいではないか。
しっかり防寒対策して出かけた。

JR大森駅ホームにある記念碑

大森駅北口から歩いて6分
昭和っぽさが色濃く残る街並み(昭和遺跡?)

大森貝塚は、現在の大田区と品川区にまたがっており、両区それぞれに石碑が存在する。

大田区の石碑
昭和5年(1930)建立

「モース教授により1877年に発見された」と記されている

目の前を走り抜ける京浜東北線
日本人の誰も遺跡に気づかなかったのが不思議
考古学的視点がまだなかったのだろう

歩道の敷石が楽しい

大森貝塚遺跡庭園(品川区)
入場無料・無休だが夕刻には門が閉ざされる

貝塚は残っていない
木立あり、小山あり、噴水あり、ベンチありの公園である
鬼ごっこの小学生、キャッチボールする親子、談笑する主婦
区民の憩いの場になっていることが察しられた

噴水広場
30分に1度、ミストが噴射される

貝塚跡
発掘調査で実際に貝塚が発見された地点

貝塚展示ブース
実際の貝層を利用して、発見当時の貝塚を復元
スズキ、クロダイ、マアジ、サバ、ウミガメ、ウナギ、
ニホンジカ、イノシシ、アナグマ、タヌキ、イヌ
などの骨も発見された

土器を手にするモース博士
雨水が溜まらないよう底に穴が開いていた

当然海辺にあったのです
江戸時代には海苔の養殖で栄えた
浅草海苔の主要産地は大森だったそうな

庭園内には縄文時代の人々の暮らしを解説するパネルがある


品川区の石碑
昭和4年(1929)建立
後の調査の結果、こちらの地点が正しい発掘調査地と判明
(両碑は約300m離れている)

庭園から品川駅方向にさらに10分ほど歩いたところに、区立品川歴史館がある。
開館40周年を迎えるというので、昭和の公民館的なアナログ施設を想像していたら、これが大違い。
大規模な改修工事が行われ、デジタル仕様に生まれ変わって2024年4月に再オープン。
きれいで、見やすく、面白い。
大森貝塚とここをセットで訪ねたい。

品川歴史館
9時から17時、月曜休
一般100円

縄文時代から現代までの品川の歴史をたどるデジタル年代記が面白い



灯火用あるいは香炉として用いられた土器があるとは知らなかった
縄文人もアロマテラピーをしていた?

鎌倉時代の常滑大甕(とこなめおおがめ)
愛知県知多半島の常滑で作られた大甕を、品川にあった御殿山まで、海岸沿いに船で運んだ。
途中で割ったら打ち首ものだった?


貝塚の上に戦争遺跡
人類がまったく進化していないことを知らしめる

2階の休憩スペースから、大画面の「品川区の歴史」動画を鑑賞できる。
これが素晴らしい出来!
アニメ制作はアダチマサヒコによる

歴史関係の図書も充実

モースコーナーもある

モースが発表した発掘調査報告書
これぞ日本考古学発祥の証拠である

庭園散策で気分転換
梅・桜・紅葉など、四季折々の風情が楽しめる

書院・茶室は現在も利用されている

目の前にいつも見ていても、気づかないことがある
これがモース博士が我々にくれた教訓だろう