2001年アメリカ映画。

 有名人御用達、四つ星人気イタリアンレストラン「ジジーノ」で一夜の間に起こる様々な人間模様と事件をテンポ良く描く。

 最後の最後まで物語の着地点が見えないのにぜんぜん飽きることがないのは、レストランの上階(店内)の気取ったセレブたちの描写と、レストランの下階(調理場)の調理人たちの殺気だった仕事ぶりとの対比が面白いのと、下から上へと次々と運び込まれていく豪華絢爛な料理が食欲をそそるからである。

 結末は急転直下訪れる。
 その不意打ち感は気持ちいいし、そこにいたって「イタリアン」であることの意味が深々と感じられる。イタリアはイタリアでも、ミラノでもローマでもベニスでもなく、おそらくナポリかシチリアか。北ではなく南。つまり、復讐という概念が色濃く残る土地。
 そして、ヌーベルキュイジーヌを目指す新進気鋭の料理長ウード(エドアルド・バレリーニ)に対し、父親でありレストランの支配人であるルイス(ダニー・アイエロ)が昔ながらのイタリア家庭料理にこだわり続けることの意味も浮かんでくる。

 料理とは人であり、家庭であり、民族であり、気質(血)である。そこを離れたところに「料理」などない。
 そう言いたい父親は、最後には経営に絡む負の遺産を清算して息子に店を譲る。
 
 典型的なイタリアの父親(パードレ)、ここにあり。


評価: B-

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!