1997年アメリカ映画。

 SF(宇宙船もの)とオカルトが結合した異色作。
 こういう手があったか。

 7年前に処女航海で消息を絶った宇宙船イベント・ホライゾン号が、突如海王星近くに現れた。乗組員の救助と謎の解明に向かうルイス・アンド・クラーク号のクルー達は、同乗するウェア博士(サム・ニール)から驚くべき事実を聞かされる。
 イベント・ホライゾンは空間移動装置「コア」を搭載しており、宇宙空間を瞬時にワープすることが可能な船だった。だが、ワープは失敗し、船は別次元に入り込んでしまったのである。
 いったい、そこはどこか?
 そして、乗組員達はどうなったのか?

 いまや無人となったイベント・ホライゾン号に足を踏み入れるクラーク号のクルー達。
 自分たちが「地獄」から帰還した船の次なる餌食になるとはつゆも知らずに・・・。

 セットも特撮も水準以上。
 役者達も派手ではないが手堅い演技を見せてくれる。
 人間の秘められた欲望や弱みにつけこみ魂を乗っ取るというアイデアは、『惑星ソラリス』が元ネタであろう。それをオカルト風に脚色したところがユニークである。

 イベント・ホライゾン号の乗組員の最期が記録装置に残されていて、それをクラーク号のクルーが見るシーンがある。一番グロくて、恐ろしい、目を背けたくなるシーンである。
 ある意味、エイリアンよりずっと恐いかもしれない。エイリアンは外から来る敵だけど、こっちは人の心に潜む獣性だから。

 「地獄から自分自身を救え!」

 場所が宇宙だろうと、時が未来だろうと、オカルト映画にもっとも合う言語はラテン語である。
 悪魔もまた神をののしるのに、バチカンの公用語を使う。


評価:C+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!