2011年アメリカ映画。

 年代は近いが、服装も雰囲気も性格もガラッと異なる3人の男女――サマンサ(=キャサリン・ウーターストーン)、ジョディ(=サラ・パクストン)、トム(=スコット・イーストウッド)――は、それぞれの旅の途上で道に迷い、見知らぬ森に迷い込んでしまう。そこは人の姿のまったくない冬枯れた森で、氷点下の凍てつく夜が待っている。
 3人は森の中の古い小屋を寝場所にして、出口を探して森の中を彷徨う。
 しかし、小屋からまっすぐ歩いたつもりが、いつの間にかまた小屋に戻ってきてしまう。どうやら異次元に入り込んでしまったことに3人は気づく。
 そのとき、銃を片手に現われた4人目は、任務遂行中のドイツ兵であった。

 原題はENTER NOWHERE
 ミステリー&サスペンスであるが、最後にSF的要素が絡む。
 観る者は登場人物と共に、まったく状況の読めない迷路にほうりこまれる。そして、徐々に解きほぐされ、さらに深まっていく謎の果てに、あっと驚く真相が待っている。
 これもやはりアイデア勝負のトリックものという点では、全記事の『キャビン』同様なのだが、こちらのほうが観賞に耐える。
 脚本がよく練られていて、見終わったあとに張られている伏線を再度確認したくなる。役者の演技も的確である。小屋と周囲の森という閉ざされた空間を背景に、ほぼ4人だけの登場人物のやりとりを緊迫感もって描き出す演出(カメラワーク含め)も冴えている。
 なぜこの4人なのか?
 4人の共通点は何か?
 この仕掛け、この手の映画をたくさん観ている自分にも見抜けなかった。
 この作品は舞台劇にすると面白いと思う。
 小屋の中だけの舞台設定、登場人物は4人だけ。
 きっと、アガサ・クリスティの大ヒット舞台劇『ねずみとり』に劣らないような謎とスリルとどんでん返しに、観客はあっと驚くことだろう。それに、描きようによってはかなり濃厚な愛憎&癒しストーリーになりうる要素をはらんでいる。

 ガタイの良さは親父譲りのスコット・イーストウッド、ドイツ兵を演じているショーン・サイポス、どちらもまぎれもない正統派イケメン。好みの分かれるところだ。



評価:B-



A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」   

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」 

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!