武蔵野夫人に誘われて、初夏のはけを散策する。
「はけ」とは、国分寺崖線のことで、武蔵野段丘から沖積層低地へ移る斜面地を言う。崖下の砂礫層からは豊かな地下水が湧き出ている。
崖を作ったのは大昔の多摩川で、湧き水が集まって崖線に平行して流れるようになったのが今の野川と言われている。
●日時 5月14日(水)
●天気 晴れのちくもり
●行程
12:40 JR中央線東小金井駅
歩行開始
13:00 都立武蔵野公園(はけの道)
昼寝
14:05 ムジナ坂
14:10 中村研一記念美術館・美術の森
14:30 小金井神社
15:00 貫井大橋
「大勝軒」で食事
15:30 貫井神社
16:20 JR中央線国分寺駅
歩行終了
●所要時間 3時間40分(歩行時間2時間40分+休憩時間1時間)
東小金井駅南口から東京農工大生(たぶん)がぶらぶらする飲食店街をまっすぐに進むと連雀通りにぶつかる。そこを渡り住宅街の坂道を下ると、都立武蔵野公園に着く。左手の丘には武蔵境駅を始発とする西武多摩川線が見える。



野川が流れる武蔵野公園は、広々として緑の多い、気持ちのいい空間である。
このあたりの野川は幅1.5メートルほどの浅い小川である。
公園内から北に国分寺崖線を望むと、こんもりした森となって見える。
木陰で40分ほど昼寝。



公園をあとにし、はけの道に沿って進む。
崖の上下をつなぐ坂や石段が続く。ムジナ坂は、昔この坂を夜分通った人がムジナに化かされたという由来による。着物を着たのっぺらぼうの女でも出たか。
中村研一記念美術館の裏手に、『武蔵野夫人』の頃のこのあたりの自然をそのまま残した小さな庭がある。カフェもある。一服しようと思ったが、有閑夫人たちでいっぱいだったので遠慮した。



小金井神社は祭神が菅原道真公。すなわち、天神様である。
神社の裏手に弓道場があって、稽古にいそしんでいる人々がいた。


ここからは野川に沿ってしばらく進む。
川岸をずっと歩くことができる。
今は黄色い菖蒲やピンクのつつじが咲き乱れ、目を楽しませてくれる。


貫井大橋のたもとにある大勝軒で腹ごなし。
中華ラーメン(900円)を頼む。
麺にねばりとコシがあり、スープも濃厚で、合格点。
ご馳走様~。


弁天橋の下では夏を待てない子供たちが水遊び。
平和な光景である。

貫井神社は、知られざるパワースポットと直感。
まず、周囲が木々に囲まれ静かで落ち着いている。社殿の左手の崖から湧き水が出ている。朱塗りの橋を掛け渡した池の雰囲気がまたよい。
池の周りにはもみじがいっぱい植わっている。紅葉の頃、赤く染まったもみじが水面に映し出されるのを見たいものだ。



東京経済大学を右手に仰ぎながら国分寺市に入る。
5月の薔薇の麗しいその名も「ローズカフェ」を発見。
女性客で賑わっていた。
近くに眺めの見渡せるところがあった。
遠くまで家の屋根が続く風景に、崖線の意味が実感された。

野川の始まりは、国分寺駅北口の日立中央研究所内の池である。
そこから中央線の走る土手の下をくぐって、南口方面へと流れが始まる。
住宅街の一角から、その最初の地点を眺めることができる。

ゴールは国分寺駅南口。