2012年イギリス映画。
『卒業』『真夜中のカーボーイ』『トッツィー』『レインマン』の名優ダスティン・ホフマンの初監督作品。
名優必ずしも名監督ならず――だから、あまり期待しないで観た。引退したオペラ歌手たちが暮らす老人ホームが舞台ということだから、「アリアの名曲を聴ければ良いかな」「英国の老人ホームの様子が窺えるかな」くらいの気持ちで・・・。
意外に良かったのである。
ホフマン監督は、同じく俳優出のクリント・イーストウッド監督ほどの職人レベルには達していないが、手堅い演出、丁寧な絵づくり、役者の魅力を引き出す能力で、娯楽映画の合格点に達している。ワーグナー歌いで名を馳せたソプラノ歌手のギネス・ジョーンズはじめ、引退したプロの音楽家たちがたくさん出演しているのが見所なのだが、たくさんの個性的な登場人物を上手に捌いている。音楽の使い方、挿入の仕方も巧みである。
イギリスの名優たち――マギー・スミス、トム・コートネイ、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボンら――の演技も深みがあって、魅力あるキャラクターづくりに成功している。
自分は老人ホームで働いているが、利用者の退屈は大きな課題である。
この映画の舞台となるホームのような、音楽のある生活、芸術の香りのする空間、音楽への共通の愛で結ばれた仲間たちとの交流、表現する喜びに溢れた日常――これは幸せな老後の風景と言えないか。
人生は短し
芸術は長し
評価:B-
A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」
A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
「スティング」「フライング・ハイ」
「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」
「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」
C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!