2011年イギリス・ドイツ合作。
シェイクスピア別人説をモチーフにした歴史サスペンス。
英国エリザベス絶対王政時代のコスチュームプレイと、ゲイとして有名なエメリッヒ監督の好むイケメン群像が楽しめる。
シェイクスピア別人説は、人類史上最高の劇作家であるウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)の作品が別人によって書かれた――というものである。史実上のシェイクスピア(とされる人物)の育ちや経歴を見ると、アノ間違いなく「世界遺産」の上位五指に入る膨大にして崇高な傑作群を生むほどの教養や語学力を身につけられたはずはない――というのが根強い別人説を生む原因となっている。
真の作者として有力な候補は三名。
1. フランシス・ベーコン・・・経験主義、帰納法で有名な政治家・哲学者
2. クリストファー・マーロー・・・同時代の劇詩人。シェイクスピアと生年が同じで、最期は他殺体となって見つかった。(この映画にも登場する)
3. エドワード・ド・ヴィア・・・第17代オックスフォード伯。政治よりも文学を愛好する貴族。
この映画は、3のオックスフォード伯こそ真のシェイクスピアであるという説に基づいて創られている。
脚本はよく練られている。が、登場人物達の若い頃と現在とが頻繁にスイッチするので、誰が誰だか分からないのは難点。映像はエメリッヒらしい美意識と格調とが横溢。最後の最後で明かされる衝撃の事実も(史実ではないだろうが)、ギリシャ悲劇のようで面白い。エリザベス役のヴァネッサ・レッドグレイブも女王らしい威厳を醸している。全体に肩の凝らない娯楽作品に仕上がっている。
シェイクスピアと言えば、思い出すのは小学校時代の学芸会である。
演劇クラブに所属していた自分は、全校生徒を前に体育館のステージで『リア王』を演じたのである。脚色もほぼ自分がやった。
このときの自分の役は、なんとリア王の三人娘の一人で、冷淡で強欲な長女ゴナリルだった。妹のネグリジェをドレスに仕立て、母親のカツラを借りて、人生最初にして(おそらくは)最後の女装であった。思う存分役になりきって、次女のリーガンと共にけなげで可憐な末娘コーデリアをいたぶったものである。
リア王を演じたのは、クラブの部長だった上級生の女子であった。傲慢で尊大で貫禄があってリア王にぴったりだった。
男子児童が女性を演じ、女子児童が男性を演じ・・・。今思うと、かなりキッチョで、クールで、恥知らずな舞台であった。
何より大胆だと思うのは、『リア王』を喜劇に変えてしまったのであった。
評価:B-
A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」
A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
「スティング」「フライング・ハイ」
「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」
「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
「ボーイズ・ドント・クライ」
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」
C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!