日本の未来 2014年刊行。

 副題は「アイデアがあればグローバル化だって怖くない!」
 日本在住30年以上になるスリランカ出身の初期仏教のお坊さま(長老)から見た、日本という国と文化、日本人。その現状と問題点が率直に、縦横無尽に、語られる。
 そして、仏教の智慧に裏打ちされた日本の明るい未来への指針とアドバイスが、親身に、ユーモアたっぷりに、告げられる。

 取り上げられるテーマは実に多彩。
 日米関係、日中関係、日朝関係、靖国参拝問題、ゴミ問題、原発問題、開発問題、軍備武装と自衛隊、TPP問題、東京オリンピック開催、出生前診断・・・・。
 スマナサーラ長老の日本及び日本人に関する知識と理解の深さには感嘆せざるをえない。


以下、引用。

●仏教の人間は、将来や未来のことを心配しない、悩まない、そういう訓練をします。だからといって、いい加減ではありません。何も考えずに行動したりはしません。将来のことをまじめにいろいろ考えはします。これまでの状況から、将来のことをなんとなく読んだりもします。予測できないわけではなく、むしろ、仏教の智慧がいくらかでもあれば、将来について的確な見通しがもてたりするものです。
 しかし、だからといって、将来のことをあれやこれやと気にはしません。逆に、心配したり憂えたりしないよう、気をつけています。
 仏教は、「今、しっかり生きてみなさい」と教えます。今の時間を、何の失敗もしないで、後悔するはめにならないように、「ああ、よかった!」と思えるように生きてみれば、すべての問題は解決します。いつも、テーマは「今」だけなのです。

●日本人が世界のリーダーになってくれたらありがたいのです。日本人には、その資格があるのです。本当はアジアの国々が、中国さえもそう期待していたのです。日本人は最低でも、アジアのリーダーシップをとってくれるだろう、と。それを裏切ったのです。それで今、その結果を受けているのです。・・・・・・・
 リーダーシップとは自我を張らないことです。人の心配をするのです。人の幸福を願うのです。

●たった一人でも慈悲の実践をすると、周りが幸せになります。慈悲の実践とは世界平和とか、そんなちっぽけなことのためにやるものではないのです。すべての生命が平和で豊かで、お互い仲よく生きるための道なのです。慈悲の実践をすると、人間や地球上の生命だけではなく、神々まで豊かになる。「神々に守られますよ」と、お釈迦様ははっきりおっしゃっています。