1949年松竹。

 往年の大スター阪東妻三郎主演のホームドラマコメディ。
 ――なのだが自分はバンツマをよく知らない。田村高廣、田村正和、田村亮の父親であるということ以外に・・・。
 映画代表作の『雄呂血』(1925年、二川文太郎監督)も『無法松の一生』(1943年、稲垣浩監督)も観ていない。「殺陣が一番巧かった」と評される時代劇にいたっては皆無である。
 ウィキで調べると、なんと51歳という若さで1953年に亡くなっている。代表作のほとんどは戦前に撮られていて、『無法松』を含むいくつかの作品は国家検閲により無残にもカットされて、上映機会も少ないため、バンツマの何たるかを知らないのも無理はない。
 手元にある文春文庫ビジュアル版『大アンケートによる日本映画ベスト150』(1989年刊行)によれば、高倉健、笠智衆、三船敏郎を退けて、「好きな男優ベストテン」の第1位に選ばれている。凄いことではないか。短い役者人生で、いかに強い鮮烈な印象を観客に与えたかが伺われる。その点では、市川雷蔵(享年37歳)や石原裕次郎(享年52歳)――しかし若いな――と似ている。いや、短い人生だったからこそ、かえって印象に残るのだろう。
 
日本映画150
 
 最盛期の、時代劇役者としてのバンツマを知らない人間でも、この映画を観ればその魅力の片鱗を窺い知ることができる。
 圧倒的な存在感、天衣無縫の演技、画面からあふれ出る人間味。他の役者が一丸となって向かっても太刀打ちできないほどの抗し難い磁力を発している。それが、家族全員を支配下におく粗野で無教養な頑固親父というキャラクター設定とあいまって、もう魅力全開である。誰がどう観たって、この映画の成功はバンツマの功績、そして彼を縦横無尽に走らせた木下恵介監督の手腕にある。
 
 バンツマの他の映画を探してみようっと。


評価:B+

A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。 
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」

A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」   

B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!