2013年スウェーデン映画。 
 
 原作はスウェーデンで100万部のベストセラーとなり、日本を含む40ヵ国以上で翻訳されている作家ヨナス・ヨナソンのデビュー作『窓から逃げた100歳老人』。
 
 100歳の誕生日に、居住している老人ホームの窓から一人逃げ出したアラン・カールソン(=ロバート・グスタフソン)の波乱に満ちた冒険、そして生涯を描くアクション・コメディ。
 アランが生きてきた100年のヨーロッパ史――それはつまるところ戦争と謀略の歴史である――を背景に、無類の爆弾マニアであるアランが、運命に身をまかせつつも、持ち前の好奇心と幸運と楽観主義とで激動の時代をくぐり抜け、世界の要人たちとの邂逅を重ね、当人はそれと知らず世界の歴史を変えるキーパーソンになっていく様子をコミカルに描く。同時に、老人ホームから逃げ出したアランが遭遇するギャングや警察を巻き込んだ破天荒な珍道中を、ユーモラスに‘のほほんと’描き出す。
 “北欧版『フォレスト・ガンプ』”と称されたのも道理である。が、アランはフォレスト・ガンプほど純真な心の持ち主ではない。平気で人殺しをしてしまうのだから。また、少年時代に入れられた精神病院で去勢手術をされたため、女性関係を持たなかった。それゆえ、フォレスト・ガンプのような恋愛ドラマや家族愛とは無縁である。その点で、この映画をヒューマンドラマに分類するのは「やや違う」ような気がする。
 
 主人公アランを演じるロバート・グスタフソンは、1964年生まれの50歳。スウェーデンの国民的コメディー俳優として知られている。青年期から100歳までのアランを器用に演じ分けている。特殊メイクの効果もあるが、20代のアランも、100歳のアランも、とても50歳の男が演じているとは思わなかった。100歳のアランの何事にも動じない飄々たる振る舞いを、演技とは思えないような自然さで演じきっている。
 監督のフェリックス・ハーングレンは、1967年生まれ。この作品で国際的監督になったわけだが、インタビューで「なぜこの物語がこれほど世界中で人気を博したと思うか」と聞かれた答えがフルっている。
 
 西洋では我々の人生の終わりとは、退職したときにたくさんの金が貯めてあって、良い暮らしやゴルフをしたりすることができることだ、と考える傾向がありますが、真実は我々のほとんどが、孤独に老人ホームに行き着き、そこで死に向け、ただ朽ちて行くのです。
 心の底で我々は、このことを知っています、それゆえ、誕生日を迎えた100歳の男が、彼が好奇心旺盛であり人生でさらなる体験をしたいがために、単純に窓から歩き去ってしまうのを見るのは、気持ちの良いものなのです。彼は物事を計画したり将来の心配をしたり、過去を憂えたりするような男ではありません。彼は非常にリラックスした方法で、今日が最後の日であるかのようにただ毎日を生きて行きます。
 人々はアランになりたいと感じる。それは何にせよひとり老人ホームで終わるゆえ、どうせ楽しむことのできない物質的な所有に奮闘する西洋のそれより、我々にしっくりくる生き方だからです。(公式ホームページhttp://www.100sai-movie.jp/index.htmlより抜粋)

 やっぱり、西洋の人も、なんだかんだ言って「老人ホームで死ぬのはイヤ」なのだな・・・。



評価:B-

A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。 
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」

A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」   

B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!