来年1月末の社会福祉士国家試験に向けて、勉強を開始した。
 
 まずは、実際の試験がどんなものなのかを知るために、昨年度(第28回)の試験問題いわゆる過去問に挑戦してみた。全19科目計150問、制限時間250分である。
「・・・・・・む、むずかしい」
 予想はしていたが、今年受けたばかりの介護福祉士国家試験とは比べものにならない難レベル。合格率26~27%というのも頷ける。「これは正答だ」と自信を持って言える問題が3割もない。介護福祉士試験は、一般常識で答えられるもの(専門職でなくても正答できるもの)が3割程度あったが、こちらは1割ない。しかも、介護福祉士試験のときは、すでに介護現場で3年以上働いているという強みがあった。こちらはそれも効かない。
「う~ん。性根を据えてやらないと、こりゃ一発合格は難しいぞ」
 冷水をかけられた気分で答え合わせしたところ、なんと150点中94点(正答率62.7%)。
 第28回試験の合格ラインは88点(58.7%)と発表されている。
「えっ?合格??」
 驚いた。勘の良さに・・・。
 介護福祉士試験のための勉強を3ヶ月やっていたから試験問題慣れしていたようだ。5つの選択肢の中から「当たっていそうなもの」を見抜く勘がついているのだろう。
 しかし、62.7%はこころもとない。安心することなど全然できない。勘にかけるわけにはいくまい。
 8割(120点)獲得を目指して、これからギャップを埋めていけば間違いないだろう。

 まずはテキストが必要だ。
 通信教育で使った中央法規「社会福祉士養成講座」のテキスト20冊はあるが、もちろんそれ全部読み直すのは時間と労力のムダ。試験によく出るポイントだけをしっかりと学んで記憶できる、それさえ熟読しておけば何とかなる、やる気を失うほど分厚くない、かと言って頼りなさを感じるほど薄くもない、19科目を網羅したテキストがほしい。
 ブックオフや書店を回って、各社のテキストをパラパラとめくって、一冊を選んだ。
 医学評論社『2017社会福祉士の合格教科書』。約450ページ。

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 著者の飯塚慶子は、慶應義塾大学文学部、全国社会福祉協議会中央福祉学院卒業。株式会社ベネッセコーポレーションや横浜市内介護老人保健施設相談員を経て、現在は大学や養成施設で社会福祉士やケアマネや精神保健福祉士などの資格取得のための受験対策講座を担当している。
 読みやすい紙面で、字も大きく(中年にとってはこれが一番大事)、整理・暗記しやすいような図表もたくさん載っている。450ページなら途中で息切れすることなく読み通せるだろう。
 よし。この一冊に賭けてみよう!

 福祉制度は変化が激しい。法や制度はコロコロ改正されるし、新設されるし、廃止される。通信教育で学んだ内容も2年たてば古くなる。
 刻々更新されていく福祉情報に触れる手段として週刊『福祉新聞』というのを購読することにした。霞ヶ関にある福祉新聞社から出ている4ページの新聞である。昨年、社会福祉士養成課程の実習で障害者支援施設に行ったとき、読売新聞や朝日新聞などと一緒にロビーに並べてあるのを見て存在を知ったのである。現在論議されている法律や制度についてのみならず、現場で起こっている問題(たとえば利用者への虐待や介護離職など)や福祉分野での新しい潮流・取り組み(たとえば介護ロボットや認知症カフェなど)が取り上げられていて、わが国の社会福祉の動向を知るにはもってこいだ。介護・社会福祉士の読者が一名、毎回顔写真入りで登場し、普段の仕事の様子や福祉への思いなどを語るリレーエッセイもなかなか面白いし、資格取得へのモチベーションを高めてくれる。

福祉新聞
 

 よし、これで用意万端。
 来年1月まで社会福祉士合格を目標に、生活にハリをもたせることにしよう。
 脳の老化防止、認知予防にもなるから、一石二鳥である。