★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損

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6月2日 漫画:『ポーの一族 春の夢』(作画:萩尾望都、2017年小学館)
・・・・・40年ぶりに再開された伝説のヴァンパイア・ロマンス。40年で作家(=萩尾)も変わった。読み手(=ソルティ)も変わった。昔覚えた感動がそのまま再現されるというのはどだい不可能である。40年前とはまったく質の違う感動が待っているのだろうか。再開は果たして成功だったのか? この先の展開が気がかりである。(中島梓=栗本薫が生きていたら、どう思っただろう?)
★★

6月3日 映画:『ノクターナル・アニマルズ 夜の獣たち』(トム・フォード監督。2017年アメリカ、116分)
・・・・・『シングルマン』のトム・フォードによる第2作。世界的ファッションデザイナーだけあって映像センスは格別。ゴージャスで艶があって残酷でアブノーマルな、したたるような映像美に魅せられる。『ブルーベルベット』『ツイン・ピークス』のデヴィッド・リンチ、『フール・フォア・ラブ』『パリ・テキサス』のサム・シェパード(脚本)が想起される。主演のエイミー・アダムズが美しい。
★★★

6月4日 本:『秩父巡礼ひとり旅』(福田常雄著、1981年現代書林)
★★★

6月7日 本:『クリスマスに少女は還る』(キャロル・オコンネル著、1998年)
・・・・・1999年創元推理文庫。「巧緻を極めたプロット、衝撃と感動の結末」という背表紙の煽り文句につられた。623ページの分厚さに怖気を振るうも読み始めたら一気呵成。登場人物の個性的かつ魅力あるキャラに親しみを感じる。とくに愛すべきはホラー好き悪戯好き少女サディ。シリアルキラーに誘拐された彼女と親友グゥエンが、無事助かってクリスマスに還ってくることを願いながらページを括る読者は、最後の最後に、煽り文句がまさに正鵠を射ていることを知る。ジーンとくる感動は比類ない。
★★★★

6月9日 やっとかめ室内管弦楽団 第5回演奏会
★★★

6月9日 映画:『インシディアス』(ジェームズ・ワン監督、2011年アメリカ・カナダ、103分)
・・・・・『クリスマスに少女は還る』を読んだらホラー映画が観たくなった。退屈な雨の夜に部屋を暗くして独りで観るだけの価値はある。霊媒役のリン・シェイ(1943年生)が光っている。この人は『エルム街の悪夢』『クリッター』『ヒドゥン』などホラー映画・SF映画はじめ数多くの映画に出演している。が、注目したのはこれが初めて。『インシディアス』続編(2018)ではついに主役を演じている。女優人生40年で当たり役を見つけたのだ。Insidious とは「狡猾な」の意。
★★

6月10日 本:『ゆっくり歩いて巡り会う 88の感動物語〈四国お遍路〉』(小西敏明著、2011年すばる舎リンケージ)
・・・・・著者は1947年京都生まれ。日刊スポーツ新聞西日本の記者をしながら2泊3日、3泊4日の区切り打ちを重ね、四国遍路を10ヵ月かけて歩き通した記録。さすが見聞の広い記者だけあって、また立命館大学文学部哲学科卒というバックボーンを持つだけあって、そして新聞掲載を前提に書かれているだけあって、ほかの遍路体験記とは一味違う、観察の鋭さと教養の深さと取材力の高さの揃った娯楽性・実用性の高い読み物となっている。途上出会った人とすぐに打ち解けて、相手から深い話を引き出してしまうのは、さすが新聞記者と感心する。
★★★

6月10日 映画:『トゥモローランド』(ブラッド・バード監督、2015年アメリカ、130分)
・・・・・ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ製作のSFアドヴェンチャー映画。ディズニーらしい夢と冒険と希望に満ちた娯楽大作である。ジョージ・クルーニーは相変わらずカッコいい。
★★

6月11日 本:『御直披』(板谷利加子著、1998年角川書店)
・・・・・強姦被害に遭った20代女性と、彼女を支え事件を解決に導いた40代女性警察官の往復書簡。
★★★★

6月15日 映画:『団地』(阪本順治監督、2016年、103分)
・・・・・藤山直美、岸部一徳が平凡な団地の夫婦を演じる風変わりなコメディ。『どついたるねん』や『闇の子供たち』の阪本順治がこういう脱力系のB級ナンセンス作品を撮るとは意外。浮世離れした正体不明の青年を演じる斎藤工ははじめて注目したが、とてもいい。おまけに美形。
★★★

6月16日 本:『わたしが・棄てた・女』(遠藤周作著、1963年発表)
★★★★



白アジサイ


6月18日 本:『花に問え』(瀬戸内寂聴著、1992年中央公論社)
★★

6月20日 映画:『スカイライン -征服-』(グレッグ&コリン・ストラウス、2010年アメリカ、94分)
・・・・・ある朝突如として空から侵略者がやって来るというオーソドックスなSF映画。CGの効果が凄くて最後まで一時も目が離せない。米軍の反撃もむなしく、ロスアンジェルスはモンスターに徹底的に破壊し尽くされ、市民は宇宙船に吸い上げられ、地上は征服される。高級マンションに住む主人公らは生き残りを賭けて踏ん張るけれど、どう考えても始めから負け戦。地球に飛来する技術力を持っている時点で人類とは雲泥の差。大人と幼児の喧嘩みたいなもの。続編があるらしいのでどんでん返しがあるのかもしれない。が、人類が勝利するアルマゲドン的物語にもはや興味ない。
★★

6月20日 映画:『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(若松孝二監督、2007年、190分)
・・・・・必見!
★★★★

6月23日 本:『謎の皇太子をシンガポールに追え』(葭原幸造著)
・・・・・傑作!
★★★★

6月23日 映画:『平成狸合戦ぽんぽこ』(高畑勲監督、1994年、119分)
・・・・・多摩ニュータウン開発が舞台の話とは思わなかった。そう言えば、ちょっと前にニュータウンを散策していたとき、「明治天皇が当地に兎狩りに来た」という説明書きがあるのを見つけてちょっと驚いた。自然を破壊し開発を推し進める人間 V.S. 先祖伝来の「化け」学を駆使して住みかを守ろうとする狸、という合戦テーマなのだが、エコロジー運動的なプロパガンダは希薄。全体にユーモラスで幻想的で落語風のおかしみあるムードが漂っている。狸の人徳(?)か。
★★

6月24日 映画:『サイレント・パートナー』(ダリル・デューク監督、1979年カナダ、106分)
・・・・・熱帯魚好きの真面目な銀行員と凶悪強盗犯との知恵比べといった感のあるサスペンス。銀行員役のエリオット・グールドはなかなか味のある演技をしている。バーブラ・ストライサンドの最初の夫である。ラストシーン、素顔を隠すためバレバレの女装をして銀行にやって来る犯人が痛快。彼を仕留めた警備員が死体を見てつぶやく。「男だったのか・・・」 わかるって!
★★

6月27日 映画:『ボーイ・ミッシング』(マル・タルガローナ監督、2017年スペイン、105分)
・・・・・誘拐犯にさらわれた可愛い一人息子を救うために、家も財産も弁護士としてのキャリアも名声もいっさいを投げ捨て、警察に追われながら鬼にも蛇にもなっていく母親を描くサスペンス。次々と展開していくプロット、母親役ブランカ・ポルティージョの好演からいっときも目が離せない。最後はどんでん返しが待っているが、やや強引。
★★

6月28日 本:『私の人生街道 余り仏にならないために』(福田常雄著、1988年未来社)
・・・・・『秩父巡礼ひとり旅』の著者によるエッセイ。高年齢者雇用協会が発行する「エルダー」という冊子に連載されていたものなので、「老い」をめぐる様々な著者(大正5年生)の見聞や回想や実感や意見が語られる。マスメディアの一線で働いていた著者の広い人間関係、戦前から戦後の高度経済成長を経てバブル時期に至るまでの真摯で前向きな生き方、こなれた文章、味のある手書きのイラストが、就寝前の安らかなひとときにぴったりの読書タイムを作ってくれる。高齢者施設で働くソルティにしてみれば、大正生まれの利用者の「物の見方」を知る恰好の教材となった。
★★★



★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
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