やっとかめ 004


日時 2018年6月9日(土)14:00~
会場 小金井宮地楽器ホール(東京都小金井市)
曲目
  •  ウェーバー/歌劇『魔弾の射手』序曲
  •  ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
  •  ドヴォルザーク/交響曲第6番 ニ短調 作品60
  •  アンコール 未確認
指揮:沖澤のどか
チェロ独奏:山本裕康

 「やっとかめ」とは名古屋弁で「久しぶり」という意味だそうである。今度名古屋の友人に会ったら使ってみよう。
 学生時代に名古屋でオーケストラ活動を行い、現在首都圏に住む仲間を中心に2012年に結成されたオケ。チラシのイラストはしゃちほこであったか! 納得。
 名古屋らしい音が聴けるのだろうか?

 宮地楽器ホールははじめて行く。JR中央線武蔵小金井駅の真ん前にある立派な建物。578席ある大ホールはシンメトリー良く清潔である。
 沖澤のどかは青森出身の女性指揮者。スレンダーな体を黒のタキシードで包み、颯爽と指揮台に上る姿はリボンの騎士のよう。昨今、女性指揮者の活躍が目立つ。


やっとかめ 001
武蔵小金井駅

やっとかめ 003
宮地楽器ホール

やっとかめ 002


 今日の目的はやはり通称ドヴォコン、すなわちアントニン・ドヴォルザークのチェロ・コンチェルト(協奏曲)。近場で演奏あればまず足を運びたいソルティお気に入りの一曲。
 この曲は噛めば噛むほど味が深まり広がっていく。初恋の女性の死を悼み冥福を祈る思いが曲作りの動機となったらしいが、確かに地上と天上をつなぐ山間の小道、あるいは列車オタクのアントニンに事寄せれば「天国につながる銀河鉄道の軌道」といったイメージが浮かぶ。
 たぶん、アントニンは松本零士の『999』を観たら狂喜乱舞するだろう。アントニンが初恋の人に寄せる思いは、鉄郎がメーテルに抱く思いに重なるんじゃないかと思う。


銀河鉄道


 交響曲6番ははじめて耳にした。幾たびも微妙に趣向を変えて繰り返される音型、飛び跳ねるような軽みと華やぎ。ベートヴェン交響曲7番の影響を感じた。

 知り合いの名古屋人の言動から抽出される名古屋人のイメージは「まったり」というものである。これが名古屋人の特徴として普遍化できるとは言い切れないけれど、今日の演奏会の感想を一言で言えば、やっぱり「まったり」であった。