1953年イタリア・アメリカ
89分

 夫と小さな娘のいるアメリカ人女性メアリー(=ジェニファー・ジョーンズ)は、家族と離れて休暇に来たローマで、年下のハンサムな青年教師ジョヴァンニ(=モンゴメリー・クリフト)と出会い、激しい恋におちいる。
 ジョヴァンニに強く惹かれながらも、メアリーは自分を待つ家族のもとに帰ろうと決心し、ローマ・テルミニ駅でパリ行きの列車を待つ。
 そこに現れたのは愛しのジョヴァンニ。
 数々の人間ドラマが織りなす終着駅を舞台に、「別れる・別れない」の二人の愁嘆場(修羅場?)が始まる。

 上映年から察するに、木下惠介監督の『遠い雲』(1955年)はこの作品のリメイクだったのか?
 どちらのヒロインも最後は逃避行を思いとどまる。
 見る前からこの結末は予期していたが、そこに不自然なく落着させる脚本の素晴らしさが光っている。デ・シーカ監督の演出の冴えは言わずもがな。

 英語のセリフ担当で、トルーマン・カポーティ(1924-1984)が脚本に参加しているのに驚いた。アメリカン・ゴシック小説の寵児たるカポーティのイメージは、イタリアのネオレアリズモ作家の旗手たるデ・シーカのイメージにまったくそぐわないからである。
 まあ、この映画はベタなメロドラマなので、ネオレアリズモっぽくないのだが・・・。

 ヒロイン以上に、当時33歳のモンゴメリー・クリフトの端正な美貌が目立つ。
 そういえば、カポーティは大っぴらなゲイだったが、モンゴメリー・クリフトは隠れゲイだったそうな。どことなく翳りある美貌はそのためか。
 にしても、享年45歳とは若すぎる・・・・!


駅雑踏