2018年ロシア
116分

 原題のCHERNOVIK(英 A Rough Draft)は「下書き」の意。

 ひょんなことからパラレルワールドに入り込む機会と能力を得た青年の奮闘を描くSF映画。
 ある日、キリルが目覚めると、周囲の人間は誰一人キリルのことを「知らない」と言う。自宅のアパートには見知らぬ女が住み込んでいて、隣人も職場の同僚も両親や友人さえもキリルの存在を否定する。いったい何が起こっているのか?
 ――というゾクゾクするようなミステリアスな出だしはいい。映像もなかなかスタイリッシュで幻想的。マトリョーシカ型攻撃ロボットが出てくるのもロシアっぽくて愉快である。
 が、残念ながら美点はそこまで。
 ストーリーが進むにつれ、どんどんガッカリ度を増していき、途中から観ている時間が無駄に思えてくる。
 原題通り、「下書き」のような作品。これにクリント・イーストウッドの傑作と同じ邦題をつけるのは失礼極まる。


評価: 

★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損