2018年アメリカ
94分

 2015年8月21日、アムステルダム―パリ間を走る高速鉄道タリス内で、イスラム過激派の男が乗客に向かって銃を乱射した。乗り合わせていた3人のアメリカ青年と1人のイギリスのビジネスマンとが協力して犯人を取り押さえ、乗客の命を救った。

 この実際にあったタリス銃乱射事件を、セットではなく実際の現場(列車内や駅)で、俳優ではなく当事者(3人のアメリカ青年、イギリスのビジネスマン、被害にあった乗客)を本人役で起用して、臨場感たっぷりに描き出している。
 演技ド素人の主役3人(スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス)は、自分自身を演じているとはいえ、とても自然体で、表情も本当の役者ばりに良い。イーストウッド監督の人望と長い経験、そして3人のイーストウッドに対する敬愛が、それを可能にしたのだろう。
 
 『ヒアアフター』(2010)や『ハドソン川の奇跡』(2016)同様に、一介の庶民が時に応じヒーローたりうることをスピリチュアルな視点を絡めて描いている。幼馴染の3人が列車に乗り合わせたことも奇跡なら、憧れのスター監督から出演依頼を受けたことも奇跡であろう。
 人生何が起こるかわからない。



評価: ★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損