とき  2019年3月21日(木・祝)14時~
ところ ルネ小平 大ホール(東京都小平市)
曲目
  • ラヴェル : 道化師の朝の歌
  • ラヴェル : ラ・ヴァルス
  • チャイコフスキー : 交響曲第5番 ホ短調 作品64
  • アンコール チャイコフスキー : 『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
指揮  森川 慶

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小平市は昔ながらの赤いポストがご自慢


 ポカポカ陽気で風が強い。花粉症には最悪の天気である。
 しばらく前から、目はショボショボ、頭はボーっとしている。
 「毎日が日曜日」の身には取り立ててそれで困ることもないのだが。

 マトリョーシカの演奏会は2回目である。
 前回は、ヴェルディ『運命の力』序曲とベートーヴェン交響曲第5番『運命』であり、今回はこれまた「運命のモチーフ」を奏でるチャイコの5番である。運命好きのオケなのか、ソルティが運命に呼ばれているのか。
  
 祝日かつ入場無料ということもあって、1229名収容の大ホールは7割がた埋まっていた。
 どういうわけか、独り者のおじさんは前の方にかたまる。ソルティも前半は前から5列目あたりに座っていたが、後半は舞台がよく見えて音が全体として聴こえる2階席に移動した。

 ラヴェルの「ラ・ヴァルス」は素晴らしい曲。
 混沌とした渦の中からラヴェルらしい美しいヴァルス(ワルツ)の調べが立ち上がって、泥中の蓮のごと凛と輝き、馥郁たる香りを放ち、やがてまた混沌に還っていく。一瞬のホログラムのような、幻のような、はかない印象が、かえって美しさを引き立てる。あたかも、夭折した美しき女優のよう(たとえば夏目雅子)。

白い蓮



 チャイコフスキー5番を聴きながら、運命について思索でもしようかと思ったのだが、やはり花粉症の影響か、曲にも思索にも入り込めなかった。残念。

 それにしても、それなりのレベルのクラシック演奏を立派なホールで無料で聴くことができる今の日本の文化環境って、ほんとうに有難い。
 チャイコが知ったら、己の呪わしき運命をきっと肯定する。



評価: ★★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損