12年近く暮らしたK市のアパートを離れた。
ここ一ヵ月は荷物や家具や家電の整理と処分に追われた。
引っ越す先は実家なので、家具や家電は必要ない。
市の粗大ごみセンターに連絡して、電子レンジ、ガスコンロ、ストーブ、カラーボックス、机と椅子、食器棚、衣装ケースなど計20点あまりを引き取ってもらった。
手数料として計7千円くらいかかった。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンは行政では扱ってくれない。
購入した店に持って行くか、専門業者に頼まなければならない。
12年以上前に同居していた友人から、ここへの引っ越しの際に譲り受けたものばかりなので、どこで買ったかわからないし、領収証等もない。
ネットで見つけたいくつかの業者に見積もりを頼んだら、6~6.5万円だった。
最後に連絡した業者との交渉で、5万7千円で引き取ってくれることになった。
購入した店に持って行くか、専門業者に頼まなければならない。
12年以上前に同居していた友人から、ここへの引っ越しの際に譲り受けたものばかりなので、どこで買ったかわからないし、領収証等もない。
ネットで見つけたいくつかの業者に見積もりを頼んだら、6~6.5万円だった。
最後に連絡した業者との交渉で、5万7千円で引き取ってくれることになった。
両親が60年近く住んでいる実家は、物であふれている。
買ってばかりで捨てることをなかなか良しとしない世代なので、空いていたソルティの部屋が倉庫のように使われて、布団を敷いたら床がほとんど埋まってしまう。
アパートの12年分の荷物を運び入れるなど到底無理なので、大胆な断捨離を挙行し、最終的に段ボール箱6つ分にまとめた。
半分は本とCDである。
仏教関係の書籍と30年間収集したクラシックCDはなかなか捨てられない。
それにくらべれば、衣類の捨て甲斐あること。
大半が資源回収か燃えるゴミに消えていった。
今回は、思い切った断捨離も決行した。
過去数回、引っ越すたびに一緒に持ち運んでいた古いアルバム、若い頃の創作ノート数十冊、仙台にいた30代の頃つけていた日記5~6冊を、思い切って庭で燃やしてしまった。
過去の自分との決別、と言えばカッコよいが、時折押し入れの奥から引っ張り出して読み返して感慨にふけるといった趣味もないので、「とっておいても意味がない」と、いい加減気づいた。
一緒に、数年前に完成させて部屋に飾っていたレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』の巨大ジグソーパズルも火の中に投じた。
これが一番もったいなかったかもしれない。
が、この機会になるべく身を軽くしたいという欲求が強かった。
世界の名画と共に、若かりしソルティの愚作の数々と、恥じ多かりし青春の日々が燃え尽きていった。
野菜作りに励んだ庭と自家製焼却炉
12年近く暮らしたアパートは、ソルティにとって理想的な物件であった。
・陽当たり抜群(東と南に窓)
・風通しがいい
・閑静である
・自然に囲まれている(南側が梨とミカン畑、東側が梅林)
・プライバシーが守られる(裸族可)
・隣室が空いている(12年間!)
・駅まで8分
・コンビニ、スーパー、郵便局まで5分
・図書館まで10分
・二十畳ほどの自由になる庭がある!(野菜作りを覚えた)
・友人の家まで自転車で15分
ミカンの木に囲まれた梨畑
年寄るまでここで過ごしたいと思わないこともなかった。
が、一つ気になったのは、部屋の東北から南西の筋に「霊道」が走っているような感じがした。その筋の上で寝ていると、首を絞められるような圧迫を感じ、うなされることがよくあった。
アパートの隣室とその上の部屋が埋まらないのも、それと関係しているような気がした。
ここに来た当初空いていたソルティの上階は数年前から埋まっているが、そこに住んでいる中年男性が数回救急車で運ばれるということがあった。
交流はなかったので、理由はわからない。
ともあれ、「ここらで年老いた両親としばらく暮らしてみようか」という思いが、今回の引っ越しの理由の一つである。
井上理津子の『親を送る その日は必ずやってくる』(集英社)を読んだせいもあるかもしれない。
が、一つ気になったのは、部屋の東北から南西の筋に「霊道」が走っているような感じがした。その筋の上で寝ていると、首を絞められるような圧迫を感じ、うなされることがよくあった。
アパートの隣室とその上の部屋が埋まらないのも、それと関係しているような気がした。
ここに来た当初空いていたソルティの上階は数年前から埋まっているが、そこに住んでいる中年男性が数回救急車で運ばれるということがあった。
交流はなかったので、理由はわからない。
ともあれ、「ここらで年老いた両親としばらく暮らしてみようか」という思いが、今回の引っ越しの理由の一つである。
井上理津子の『親を送る その日は必ずやってくる』(集英社)を読んだせいもあるかもしれない。