1999年
75分

塩田明彦は、『黄泉がえり』(2003)、『カナリア』(2005)、『どろろ』(2007)などで知られる監督であるが、ソルティはこれが初めて。

いい映画である。
「小学生ダンスィーの生態」といった内容もよいし、無駄な説明を排した脚本もよいし、演じる少年少女の素朴な質感もよいし、少年たちの心象風景がそのまま外界の風景や事物に移管されたような絵作りも素晴らしい。
つまり、純粋に「映画的」である。

惜しむらくは画面が全般暗い。
撮影技術のせいなのか、フィルムのせいなのか、それとも部屋でDVDで観たせいなのか。
毎日曇っているみたいな、青空と陽光の少ない印象を受けた。

また一人、過去の作品を手繰っていきたい監督が見つかった。


評価:★★★

★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損