1999年講談社

しゅのうまさゆき、と読む
1964年生まれで、2013年に亡くなっている
享年49

デビュー作『ハサミ男』は、あっと驚くトリックで話題となり、豊川悦司・麻生久美子主演で映画にもなった(2005年)らしいが、まったく知らなかった
確かに、一般的な大人の持つある種の先入観を利用した騙しのテクニックが用いられている
大方の読者はいっぱい食わせられるかもしれない

マスコミに「ハサミ男」と命名されたシリアル・キラーが、第3の犠牲者として選んだのは学業優秀な美少女。学校からの帰り道で待ち伏せしていたが、彼女はついに現れず、なんと夜の公園で惨殺されていた。その首には先を尖らせたハサミが突き刺さっていた。自分の犯行を真似された上、奇しくも第一発見者となってしまった「ハサミ男」。なぜか真犯人を探す羽目になる。・・・・・


面白い設定である
自殺未遂を繰り返す二重人格の「ハサミ男」のキャラが秀逸
それが、探偵さながら、真犯人を探して聞き込みや偵察を開始するおかしさ
読む者は、「ハサミ男」を応援すべきなのか、憎むべきなのか・・・


ハサミ女


大きなトリックは二つある
一つは真犯人の意外性、もう一つは「ハサミ男」の意外性

ソルティは前者は見抜けなかったが、読者を仰天させる後者のトリックには引っかからなかった
最初の40ページで見抜いて、あとは「お手並み拝見」モードで叙述の妙を楽しんだ
見抜けた理由は、もしかしたら、ソルティが女子高生に興味がないからかもしれない
つまり、女の読者より男の読者の方がより騙されやすいと思われる
といったら、ほとんどネタバレ?

ともあれ、早逝が残念な才能であるのは間違いない



評価:★★★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
★     読み損、観て損、聴き損